構造要素オブジェクト
[モルフォロジ]

構造要素オブジェクトの確保と構造要素の設定

構造要素を確保し、指定のマスクで構造要素を設定します。 構造要素は、１次元配列 ucpMask により定義します。 ucpMask には step_x * size_y * sizeof(UCHAR) の領域が必要です。

構造要素は、構造要素の座標を B(x,y) と表記すれば、

B(x,y) = ucpMask [ ( y + anchor_y ) * step_x + ( x + anchor_x ) ]

但し

• -anchor_x ≦ x ≦ size_x - anchor_x - 1
• -anchor_y ≦ y ≦ size_y - anchor_y - 1

と定義されます。 構造要素の各座標において、 ucpMask の値が0以外であれば構造要素に含まれる点、 ucpMask の値が0であれば構造要素に含まれない点と定義されます。

構造要素がまったく点を含まない場合はエラーとなります。（NULLを返します）

不要になった構造要素オブジェクトは、 fnFIE_free_object() で解放して下さい。

引数:

[in]	ucpMask	構造要素の値を指定するマスクの先頭ポインタ
[in]	size_x	マスク幅(1以上)
[in]	size_y	マスク高さ(1以上)
[in]	step_x	マスクメモリ横幅(UCHAR単位)
[in]	anchor_x	構造要素のＸ方向アンカー位置( 0 ≦ anchor_x ＜ size_x )
[in]	anchor_y	構造要素のＹ方向アンカー位置( 0 ≦ anchor_y ＜ size_y )

戻り値:

確保された構造要素のハンドル メモリ不足で確保に失敗した場合や ライセンスエラー、または未初期化エラーが発生した場合はNULLを返します。

構造要素の設定

指定のパラメータで構造要素を設定する関数。 構造要素がまったく点を含まない場合はエラーとなります。（F_ERR_INVALID_PARAMを返します） 構造要素の設定方法については fnFIE_morphology_se_alloc() を参照してください。

引数:

[in,out]	hse	設定する構造要素オブジェクトのハンドル
[in]	ucpMask	構造要素の値を指定するマスクの先頭ポインタ
[in]	size_x	マスク幅(1以上)
[in]	size_y	マスク高さ(1以上)
[in]	step_x	マスクメモリ横幅(UCHAR単位)
[in]	anchor_x	構造要素のＸ方向アンカー位置( 0 ≦ anchor_x ＜ size_x )
[in]	anchor_y	構造要素のＹ方向アンカー位置( 0 ≦ anchor_y ＜ size_y )

戻り値:

	F_ERR_NONE	正常終了
	F_ERR_INVALID_OBJECT	不正なハンドルが渡されたため異常終了
	F_ERR_INVALID_PARAM	パラメータ異常
	F_ERR_NO_LICENCE	ライセンスエラー、または未初期化エラー

参照:

fnFIE_morphology_se_alloc()

構造要素情報取得

hse パラメータで指定された構造要素の情報を取得します。 取得できる情報は、Ｘ方向サイズ、Ｙ方向サイズ、Ｘ方向アンカー、Ｙ方向アンカー です。

出力先の引数( size_x, size_y, anchor_x, anchor_y )はすべてNULLポインタチェックされるため、 必要の無いものにはNULLが指定可能です。このとき hse 以外のすべてのパラメータがNULLであっても、 エラーにはならず正常終了となります。たとえば、構造要素のＸ方向アンカー位置だけを取得したければ、 anchor_x に有効なポインタを渡し、他の size_x, hegiht, anchor_y にはNULLを指定すれば良いです。

引数:

[in]	hse	情報を取得する構造要素のハンドル
[out]	size_x	構造要素のＸ方向サイズ
[out]	size_y	構造要素のＹ方向サイズ
[out]	anchor_x	構造要素のＸ方向アンカー位置
[out]	anchor_y	構造要素のＹ方向アンカー位置

戻り値:

	F_ERR_NONE	正常終了
	F_ERR_INVALID_OBJECT	不正なハンドルが渡されたため異常終了
	F_ERR_NO_LICENCE	ライセンスエラー、または未初期化エラー

構造要素取得

hse の構造要素を１次元配列 mask にコピーします。 あらかじめ fnFIE_morphology_get_params() で構造要素のサイズ( size_x, size_y )を 取得し、必要な領域を確保して下しさい。 mask には step_x * size_y * sizeof(UCHAR) の領域が必要です。 mask にNULLを指定するとF_ERR_INVALID_PARAMとなります。 mask の座標を mask(x,y)、構造要素の座標を B(x,y) と表記すれば、

mask(x,y) = B( x - anchor_x, y - anchor_y )

但し

• 0 ≦ x ≦ size_x - anchor_x - 1
• 0 ≦ y ≦ size_y - anchor_y - 1

mask(x,y) = mask [ y * step_x + x ]

mask の各座標において、値が255であれば構造要素に含まれる点、 値が0であれば構造要素に含まれない点を意味します。

引数:

[in]	hse	情報を取得する構造要素のハンドル
[out]	mask	構造要素のマスクパターンのコピー先
[in]	step_x	maskのメモリ幅（byte単位、構造要素のＸ方向サイズ以上）

戻り値:

	F_ERR_NONE	正常終了
	F_ERR_INVALID_OBJECT	不正なハンドルが渡されたため異常終了
	F_ERR_INVALID_PARAM	パラメータ異常
	F_ERR_NO_LICENCE	ライセンスエラー、または未初期化エラー

構造要素のアンカー位置変更

構造要素のアンカー位置を変更します。

引数:

[in,out]	hse	構造要素のハンドル
[in]	anchor_x	構造要素のＸ方向アンカー位置（ 0 ≦ anchor_x < 構造要素のＸ方向サイズ ）
[in]	anchor_y	構造要素のＹ方向アンカー位置（ 0 ≦ anchor_y < 構造要素のＹ方向サイズ ）

戻り値:

	F_ERR_NONE	正常終了
	F_ERR_INVALID_OBJECT	不正なハンドルが渡されたため異常終了
	F_ERR_INVALID_PARAM	パラメータ異常
	F_ERR_NO_LICENCE	ライセンスエラー、または未初期化エラー

BOX構造要素の作成

矩形の構造要素を作成します。

生成される構造要素のアンカー位置は

• anchor_x = ( size_x - 1 ) / 2
• anchor_y = ( size_y - 1 ) / 2 となります。

不要になった構造要素オブジェクトは、 fnFIE_free_object() で解放して下さい。

引数:

[in]	size_x	矩形の横方向長さ(1以上)
[in]	size_y	矩形の縦方向長さ(1以上)

戻り値:

確保された構造要素のハンドル メモリ不足で確保に失敗した場合や ライセンスエラー、または未初期化エラーが発生した場合はNULLを返します。

DISK構造要素の作成

円盤の形の構造要素を作成します。

生成される構造要素のサイズは

• size_x = 2 * radius + 1
• size_y = 2 * radius + 1

生成される構造要素のアンカー位置は

• anchor_x = radius
• anchor_y = radius

構造要素に含まれる点は

• x*x + y*y ≦ radius * radius

となる点(x,y)。 但し

• -anchor_x ≦ x ≦ size_x - anchor_x - 1
• -anchor_y ≦ y ≦ size_y - anchor_y - 1

となります。

不要になった構造要素オブジェクトは、 fnFIE_free_object() で解放して下さい。

引数:

[in]

radius

DISKの半径（1以上）

戻り値:

確保された構造要素のハンドル メモリ不足で確保に失敗した場合や ライセンスエラー、または未初期化エラーが発生した場合はNULLを返します。

LINE構造要素の作成

線の形の構造要素を作成します。

本関数では、 l_type パラメータで指定するモードにより構造要素の決め方を選択します。 下記に示すモードから選択してパラメータに指定して下さい。

F_SE_LINE_FSLASH

構造要素は右上から左下への斜線になります。 生成される構造要素のサイズは

• size_x = length
• size_y = length

生成される構造要素のアンカー位置は

• anchor_x = length / 2
• anchor_y = ( length - 1 ) / 2

構造要素に含まれる点は

• x+y = length - 1

となる点(x,y)。 但し

• -anchor_x ≦ x ≦ size_x - anchor_x - 1
• -anchor_y ≦ y ≦ size_y - anchor_y - 1

F_SE_LINE_BSLASH

構造要素は左上から右下への斜線になります。 生成される構造要素のサイズは

• size_x = length
• size_y = length

生成される構造要素のアンカー位置は

• anchor_x = ( length - 1 ) / 2
• anchor_y = ( length - 1 ) / 2

構造要素に含まれる点は

• x=y となる点(x,y)

但し

• -anchor_x ≦ x ≦ size_x-anchor_x-1
• -anchor_y ≦ y ≦ size_y-anchor_y-1

F_SE_LINE_VLINE

構造要素は縦線になります。 生成される構造要素のサイズは

• size_x = 1
• size_y = length

生成される構造要素のアンカー位置は

• anchor_x = 0
• anchor_y = ( length - 1 ) / 2

F_SE_LINE_HLINE

構造要素は横線になります。 生成される構造要素のサイズは

• size_x = length
• size_y = 1

生成される構造要素のアンカー位置は

• anchor_x = ( length - 1 ) / 2
• anchor_y = 0

F_SE_LINE_CROSS

構造要素は×印になります。 生成される構造要素のサイズは

• size_x = length
• size_y = length

生成される構造要素のアンカー位置は

• anchor_x = ( length - 1 ) / 2
• anchor_y = ( length - 1 ) / 2

構造要素に含まれる点は

• x=y または x+y = length - 1

となる点(x,y)。 但し

• -anchor_x ≦ x ≦ size_x-anchor_x-1
• -anchor_y ≦ y ≦ size_y-anchor_y-1

不要になった構造要素オブジェクトは、 fnFIE_free_object() で解放して下さい。

引数:

[in]	length	線の長さ（1以上）
[in]	l_type	線の種類 F_SE_LINE_FSLASH 右上から左下への斜線 F_SE_LINE_BSLASH 左上から右下への斜線 F_SE_LINE_VLINE 縦線 F_SE_LINE_HLINE 横線 F_SE_LINE_CROSS ×印

戻り値:

確保された構造要素のハンドル メモリ不足で確保に失敗した場合や ライセンスエラー、または未初期化エラーが発生した場合はNULLを返します。