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不定形物への塗布経路補正
■業界:靴製造
靴の製造工程ではワークに接着剤を塗布する作業があります。同じサイズでも幅が異なるためワークの数が多いことに加え、靴のソールとなる樹脂で形成された柔らかいワークは変形しやすく、人手による塗布作業に頼るしかありませんでした。本事例では、1つのラインですべてのワークに対応できる塗布作業自動化システムの事例をご紹介します。
課題
複数のワークに対応する塗布作業の自動化
【業務課題】
・サイズ毎に必要な多種類のワーク
・ひずみに対応した塗布品質の安定化
解決ポイント
光切断法による3次元計測
【課題】ワークの位置とひずみ計測
靴のソールとなる樹脂などの柔らかいワークでは、搬送途中での部分的なひずみや伸び縮みしているケースがあります。ソールへ接着材を塗布する作業を自動化するためには、サイズ毎に塗布経路データを作り、部分的な伸縮やひずみを検出する必要がありました。
これを、ワークの全体を光切断法で3 次元計測することで、平面と高さ方向で部分的なひずみや伸び縮みの補正量を算出し、異なるサイズや、局所的なひずみも同じラインで塗布対応を可能にしました。
図1. ワーク全体を光切断法により3次元的に計測
ワークに合わせて経路補正
【課題】経路補正技術の確立
ひずみのあるワークの経路補正では、単純なオフセットや回転を行う程度では補正できません。3次元計測によって補正された伸縮やひずみを考慮し、ワークの位置・回転・傾きなども含めて経路補正する必要があります。
本システムでは、その補正を素早く行い、ワークの状況に適した経路補正を行うことができます。図のようにソールの位置や形状が微妙に異なっていても、それに応じて経路を補正して、ぴったりと合うように制御します。
図2. ワークの状況に合わせた経路補正