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DSPを使用した高速デジタル信号処理ボードの開発

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TI DSPを用いた高速信号処理ボードの開発と製造まで
東京エレクトロン デバイスは、Texas Instruments社の特約店としてC6000シリーズ等のDSPを取り扱うほか、DSPを使用した高速信号処理ボードの開発製造にも対応しています。

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DSPとは

DSPは「Digital Signal Processor」 の略で信号処理に特化したプロセッサです。Texas Instruments社(TI社)の主力製品の一つであり、ベースステーションから計測器やオーディオ機器までプログラマブルなリアルタイム処理を得意としたプロセッサとして広く採用されています。

DSP アプリケーション例

クラウドコンピューティング、メディアプロセッシング、映像のトランスコード、セキュリティ、ゲーム、高度なアナリティクス、通信インフラなど、数多くのアプリケーションで高速信号処理が必須となっております。TI社のDSPはこのようなアプリケーションで採用されています。

 

TI DSP 製品ラインナップ

TI社は1980年代初頭にDSPをリリースしました。市場要求に伴い、年々パフォーマンスが向上し、マルチコア化、Armプロセッサを内蔵した製品、AI処理用のハードウェアエンジンを搭載した製品、高速なメモリインターフェイス、SerDesインターフェイスを搭載した製品も存在します。

主なラインナップと構成例

シングルコアDSP マルチコアDSP マルチコアArmDSP
TMS320C6652 TMS320C6678 AM5748
TMS320C6748 TMS320C6657 AM5728
TMS320C6747 TMS320C6674 AM5718

 

開発環境

市場要求からDSPの高機能・高性能化に伴い、開発難易度も上がっていく傾向にあります。TI社からは高度なDSP開発に必要な開発環境・ツールも提供されています。

統合開発環境IDE

Code Composer Studio(CCS)は、 TI社が無償で提供しているEclipseベースの統合開発環境となります。C/C++ コンパイラ、ソース・コード・エディタ、プロジェクト・ビルド環境、デバッガ、プロファイラなど、組込みアプリケーションの開発およびデバッグに必要な一連のツールで構成されています。

 

 

プロセッサ SDK

プロセッサ SDK には、開発中の組込みシステムの評価に役立つ各種コンポーネントが付属しています。プロセッサSDK には各種OSカーネル、デバイスドライバ等があらかじめ用意されており、初期導入の負荷軽減、開発時間および工数の削減が可能です。プロセッサSDKはプロセッサシリーズ毎に複数の種類が存在します。下記にDSPを搭載したプロセッサに対応するプロセッサSDKを示します。

プロセッサSDK サポートOS
C6748 プロセッサ SDK TI RTOS
C665x プロセッサ SDK TI RTOS
CC667x プロセッサ SDK TI RTOS
AM57xプロセッサSDK Linux ,TI RTOS, Android

 

評価ボード

TI社からDSPをターゲットとした評価ボードもいくつか提供しています。下記のTMDSEVM6678は、マルチコアDSPが搭載された評価モジュールです。Code Composer Studio(CCS)、ボードサポートパッケージ(BSP)、チップサポートライブラリ(CSL)などのソフトウェアも付属されており、マルチコアDSPプラットフォーム開発に活用できます。

 

マルチコアDSP評価ボード
TMDSEVM6678

 

 

 

 

 

 

DSP搭載基板設計の注意点

通常のプロセッサと異なり、DSP搭載基板設計には必要なノウハウ・注意点がございます。

1. 高速伝送基板設計

DSP内部は高速信号処理を実施しているため、DDRメモリアクセスやDSP間での高速データ転送が必須です。

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弊社ではFPGAを用いた高速伝送基板(100Gbps以上)の設計ノウハウを有しており、DSPを用いた基板設計も得意としております。

 

2. 放熱設計

マルチコアDSP内部は高速信号処理演算を並列で動作させているため、通常のCPU・FPGAに比べ放熱設計が重要となります。基板の放熱対策を含め、DSPに装着するヒートシンクの設計も重要です。

TEDだと・・・
弊社では基板設計を始め、機構設計や筐体設計などの実績から、DSPに適したヒートシンクの設計も可能です。

 

3. ドライバ開発

マルチコアDSPを効率よく動作させるためには、ドライバ構成が重要です。ターゲットに合ったドライバを構築できないと、DSPのマルチコアの性能を発揮できない場合もあります。

TEDだと・・・
マルチコアDSPに適したドライバ開発経験もあり、ユーザアプリケーションに適したドライバ開発も可能です。

 

4. FAEサポート

TI社のDSPはドキュメントが多岐にわたるため、読み込みも重要です。デバイスのクリティカルな情報を見逃してしまうと、開発を進める中で、期待した動作が実現できない場合もあります。

TEDだと・・・
弊社はTI特約店の位置付けから、デバイスサポートFAEが在籍しており、最新情報を入手し、DSP開発に活かすことが可能です。

開発事例

こちらの基板はTMS320C6678(C66DSPコア8個内蔵)と66AK2H14(CortexA15 4コア、C66DSPコア8個)を使用した信号処理基板となります。この基板は装置の一部でコネクタ部を介して外部FPGAと連携しています。各DSPはSGMIIやSerial Rapid I/O(SRIO)で同期し高性能な信号処理を実現しています。

 

【TI DSPを用いた高性能信号処理基板の例

 

マルチコア化や高機能化による高速インターフェイスの搭載により、近年ますます開発難易度が上がっています。当社ではマルチコアDSPを複数個使用した高度な信号処理ボードの開発実績もあり、DSPに必要とされる「Gbit Ethernet」 「Serial Rapid I/O」,「PCIe」等の高速インターフェイスのノウハウもございます。

また、TI社の特約店として情報網を活かし、DSPについては勿論の事、求められる電源シーケンスを実現する電源ICの知見もございます。HW、SWすべての面において、お客様のご要望に合わせてご提案させていただきます。

 

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