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パワー半導体を用いた開発

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グリーンエネルギー時代に求められるパワー半導体を用いた開発とは
エネルギー問題はあらゆる面で注目され、その技術的な鍵ともいえるパワー半導体をどう使うかが課題となっています。東京エレクトロンデバイスは、パワー半導体でグローバルトップクラスのInfineon Technologies(インフィニオン テクノロジーズ)社の代理店として製品を取り扱っており、また設計・量産受託サービスとして、パワーエレクトロニクスを用いるアプリケーションについて、お客様の仕様・要求に対し、試作~量産~サポートまでワンストップサービスを提供します。

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SiCとは

SiC(シリコンカーバイド)とは、次世代パワーデバイス(パワー半導体)に用いられる材料を指し、SiCパワーデバイスを、既存のSi(シリコン)パワーデバイスの代わりに、インバータやDC/DCコンバータなどの電源装置に搭載すれば、電力変換効率の向上や装置の小型化などを実現できます。下のグラフは縦軸が電力容量、横軸がスイッチング周波数、つまり、負荷変動に対する応答性を示しています。グラフ中のアイコンはそれぞれ一般的なアプリケーションを指しています。

 

SiC(シリコンカーバイド)とは?
Copyright 2022 Infineon Technologies AG.

*¹:PV:太陽光発電向けインバータ(photovoltaic inverter)
*²:OBC:BEV/PHEV向けオンボード充電器(on-board charger)

 

世界の用途別電力需要のうち、約半分がモーターによる電力となっており、モーターの駆動に使用するインバータ(パワー半導体を使った機器)の効率を1%改善するだけで大幅な省電力効果が期待されます。例えば、HV (ハイブリッド)の電力損失のうち約20%がパワー半導体による損失であり、サーバ消費電力のうち約25%がパワー半導体が使用されている電源の損失と言われていることから、損失低減は非常に重要です。

 

SiCのメリット

1. 高耐圧を実現

SiCは絶縁破壊電界強度がSiと比べ約7倍高いことから、600V~数千Vの高耐圧を実現できます。またSi デバイスより不純物濃度を高くすることができ、かつ膜厚のドリフト層を薄くすることができます。高耐圧パワーデバイスの抵抗成分のほとんどはドリフト層の抵抗であり、ドリフト層の厚さに比例して抵抗値は高くなります。SiCではドリフト層を薄くできることから、単位面積当たりのオン抵抗が非常に低い高耐圧デバイスを作ることができます。

2. 高耐熱を実現

SiCのバンドギャップはSiの約3倍広く、高温での動作を可能にします。またSiCの熱伝導率はSiの約3倍大きく、放熱効果が期待できますのでヒートシンクなどの冷却機構を簡素化できます。

3. 小型化を実現

SiCの電子のドリフト速度はSiの約2倍であり、スイッチング速度が向上できます。それによりコイルやコンデンサといった周辺部品は小さいものを使用でき、回路の小型化を実現できます。

 

SiCのメリット

Copyright 2022 Infineon Technologies AG.

 

SiCのデメリット

SiC-MOSFETボディダイオードの順方向特性のVfは、Si-IGBTと比較すると大きくなりますが、これはSiCのバンドギャップがSiの約3倍広いことが要因になります。同期整流回路でSiC-MOSFETを使用する場合は注意が必要になります。

SiCのデメリット

Copyright 2022 Infineon Technologies AG.

 

同期整流回路

同期整流回路

Copyright 2022 Infineon Technologies AG.

 

パワー半導体を使う上で、事前に損失および熱特性を考慮することで設計製造後の手戻りを減らし、効率の良い開発を行うことができます。インフィニオンテクノロジーズではシミュレーションプラットフォーム「IPOSIM (Infineon power simulation platform)」を用意し、パワー半導体を使ったシミュレーションを段階的に行えるようにしています。

 

提供されるシミュレーション

Copyright 2022 Infineon Technologies AG.

提供されるシミュレーション

  • 単一サイクルの電力および熱計算のための定常状態
  • 複数の動作点の電力熱計算を行う負荷サイクルライフタイム推定
    :選択したパラメータに基づく予想ライフタイムの計算

 

CoolSiC™MOSFETに最適なゲートドライバICをご用意

CoolSiC™ MOSFETなどの超高速スイッチングの650Vおよび1200V耐圧のパワートランジスタは、通常ガルバニック絶縁内蔵のゲートドライバICによって駆動するのが最適です。これらのゲートドライバには、優れた伝搬遅延マッチング、精密な入力フィルタ、広い出力側供給範囲、高い同相過渡除去特性 (CMTI)、アクティブミラークランプ、低電圧ロックアウト機能(UVLO)、入出力間のガルバニック絶縁などシリコンカーバイドMOSFETの駆動に一般的に推奨される、最も重要な機能とパラメータが組み込まれています。

 

CoolSiC™MOSFETに最適なゲートドライバICをご用意

Copyright 2022 Infineon Technologies AG.

 

デュアルチャネル絶縁ゲートドライバICの2つの出力チャネルのチャネル間沿面距離が3.3mmでは不十分なSiC MOSFETハーフブリッジにおいては、ブートストラップ付きハイサイド用のシングルチャネル絶縁ゲートドライバICと真の差動入力を備えた非絶縁ゲートドライバICで構成されるハイブリッドの組み合わせが有力な選択肢となります。

 

推奨ゲートドライブIC構成

推奨ゲートドライブIC構成Copyright 2022 Infineon Technologies AG.

 

関連記事:CoolSiC™ MOSFETディスクリート製品ラインアップ

SiCのユースケース

産業用モーター向けパワー半導体

産業機器で使用されるモーターの組み合わせをさらに進化させるためにモーター、ドライブ、接続ケーブルの組み合わせをさらにコンパクトにするべく、駆動回路をモーターと一つのユニットにまとめるアプローチがあります。

その際にはEMCや熱に関わる設計課題があり、既存のIGBTを用いた設計手法で解決できる箇所は限定的です。

産業用モーター向けパワー半導体

Copyright 2022 Infineon Technologies AG.

 

そこでSiCを用いることで解決の道筋をつけることができます。SiCの特性により高温での損失の変化が少なく、ゲート抵抗値によるリニアなdv/dt制御が可能であることが分かります。またIGBTに比べて自己発熱は十分低く、これにより高精度制御と熱の課題を低減できます。さらにスイッチング周波数を高速化できるので、受動部品の体積を減少でき、小体積を実現できます。

 

産業用モーター向けパワー半導体

Copyright 2022 Infineon Technologies AG.

CoolSiC™ – The perfect solution for servo drives
Figure 4 The CoolSiC™ MOSFET, compared to silicon IGBT technology, shows little change in losses at high temperatures and offers a linear dv/dt control through RG

 

このようにSiCを用いることでアプリケーションを新たなフェーズへ進めることができます。

設計・量産受託

パワー半導体を用いた開発には、電源やモーターといったアプリケーションの知識に加えて制御側・ソフトウェア開発の技術知識が必要となります。また、開発した製品の評価を行うには専用の評価設備が必要となり、一から開発を始めると膨大な費用と工数がかかってしまいます。

東京エレクトロンデバイスグループでは、マイコンやFPGAを使用したアクチュエータ制御およびエネルギーマネジメントシステムの開発・製造実績がございますので、お客様のご要望に合わせ、試作~量産~サポートまでワンストップサービスを提供します。

設計・製造概要

 

基板設計
・部品選定
・回路設計(回路シミュレーション)
・アートワーク設計
デジタル設計
・ソフトウェア設計
・FPGA回路設計
電源設計
筐体設計
製造・検査
・部品手配
・基板実装
・信頼性試験

 

関連リンク:設計受託サービス 量産受託サービス

 

開発実績

再生可能エネルギー向けシステム用電力変換装置(Smart Power Module)

再生可能エネルギー向けシステム用にリアルタイム・マイコンを使用した電力変換装置を自社製品として提供しており、お客様のご要望に合わせたカスタマイズが可能です。

 

再生可能エネルギー向けシステム用電力変換装置(Smart-Power-Module)

*¹、*²:系統連携DC-ACインバータ
*³:太陽光発電向けDC-DCコンバータ
*⁴:蓄電池充放電コントローラ

関連リンク:Smart Power Solution(東京エレクトロンデバイス長崎)

再生可能エネルギー向けシステム用電力変換装置において弊社が対応可能な仕様範囲および弊社が保有する開発・検査用設備は下記となります。

 

※対応可能な仕様範囲

機能 入力電圧 出力電圧 電流 電力
DC/DC*¹ 650V 380V 90A 50kW
AC/DC*² 380VAC(3相) 380VDC 38A AC 25kW
DC/AC 750VDC 400VAC(3相) 75A AC 50kW
充電コントローラ*¹ 580V(BT) 380V 100A(BT) 50kW
系統連系インバータ*² 380VDC 380VAC(3相) 38A AC 25kW
PV/風力コンバータ*³ 650V(PV) 380V 90A(PV) 50kW

*¹:充放電(双方向動作)可能
*²:AC/DC=系統連系インバータ(双方向動作可能)
*³:DC/DC=PV/風力コンバータ

 

※開発・検査用設備(2021年12月現在)

名称 型式 メーカー 数量 定格
電源環境シミュレータ ES36000T NF 1 3相36kVA
電源環境シミュレータ ES6000W 1 6kVA
三相信号発生器 TG1703 1 1.00Hz~500.000Hz
LC負荷装置 FUK54128 1 3相6kVar
回生型DC負荷DC電源 APLⅡ Myway 6 max 400V/28A
パワーアナライザ WT1800/WT3000 横河 3
ソーラーアレイシミュレータ 62150-1000S/A620028 Chroma 6 1000VDC 15A
三相抵抗負荷 3RZ-200-12A 山菱電機 5 AC 3φ 200V 電流0~34.6A
三相トランス NETK060AX+K 布目電機 6 60kVA(380V-200V変換)
大容量スイッチング電源 PAT650-12.3T 菊水電子工業 1 0~650V / 0~12.3A
大容量スイッチング電源 PAT80-100T 菊水電子工業 1 0~80V / 0~100A
負荷抵抗器 RZ-50-5BS 山菱電機 2 単相2線50V 5A~100A 5kW
耐圧試験器 TOS5101 菊水電子工業 1 10kV(AC/DC)
回生型双方向交流電源
(グリッドシミュレータ)
61860 Chroma 1 3相60kVA
回生型双方向直流電源 PSB1000-80JP-60-RS Elektro-Automatik 1 1000VDC 60kW
恒温恒湿室
(ウォークインチャンバー)
TBR-6EW0P2T Espec 1 -10℃~+60℃
槽内寸法:3.5m(D)×3.5m(W)×2m(H)

弊社にはパワー回路設計、ソフトウェア設計、FPGA設計、筐体設計、それぞれの分野にエキスパートがおり、また多くの実績で積み上げられたノウハウにより、仕様に応じた最適なご提案が可能です。

 

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