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TI Arm®-Cortex® ベース MCU/MPU シリーズ開発

TI Arm®-Cortex® ベース MCU/MPU搭載システムの開発から製造まで
東京エレクトロンデバイスでは、 テキサス・インスツルメンツ(TI)の特約店としてArm®-Cortex® ベース MCU/MPUシリーズの取り扱いを行っており、受託サービスとしてArm®-Cortex® ベース MCU/MPUを搭載した基板の開発から製造まで幅広く対応しております。商社機能とメーカー機能を融合する事で、技術トレンドや供給性などを考慮したデバイス選定を行いお客様の開発を支援します。
- TI Arm®-Cortex® ベース MCU/MPUとは
- AM64x MPUとは
- TI Arm®ベースの開発環境
- Arm®-Cortex® ベース MCU・MPUシリーズの開発事例
- 自社製品採用事例
- TI Arm®-Cortex® ベース MCU/MPUの供給体制および供給継続性
TI Arm®-Cortex® ベース MCU/MPUとは
エッジ・コンピューティングの新たな可能性
TIのArm®-Cortex® ベース MCU/MPUシリーズは、車載、産業用、IoTデバイス向けに、効率的なエッジ・コンピューティング性能を実現する製品ラインアップを提供します。このシリーズのSoC(システム・オン・チップ)アーキテクチャは、消費電力やサイズ、重量、コストを抑えつつ、高い性能を発揮します。
TIの開発プラットフォームは、ハードウェア、オープンソースのソフトウェア、各種ツールが一体となっています。これにより、製品の開発から市場投入までの時間を大幅に短縮できます。
TI Arm®-Cortex® ベース MCU/MPU ポートフォリオ
TI Arm®-Cortex® ベース MCU/MPU製品比較
製品名 | CPU | 動作周波数 | 主要ペリフェラル | メモリ容量 | アプリケーション |
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AM64x |
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AM62Ax |
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AM62x |
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AM437x |
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AM335x |
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AM263x |
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AM243x |
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AM64x MPUとは
AM64x MPUの概要
AM64x MPUは、産業用アプリケーション向けに構築され、最大2つのCortex®-A53コア、最大4つのCortex®-R5Fコア、1つのCortex®-M4F、2つのギガビットTSN対応PRU_ICSSGインスタンスによりスケーラブルな性能を実現します。
AM64xは、高性能R5F、密結合メモリバンク、構成可能なSRAMパーティショニング、および SoC 内外での迅速なデータ移動のためのペリフェラル間専用の低遅延パスを通じてリアルタイム パフォーマンスを提供するように設計されています。
このアーキテクチャによって、サーボドライブに見られる厳しい制御ループに対処できます。同時に、FSI、GPMC、PWM、シグマデルタ・デシメーション・フィルタ、アブソリュート・エンコーダ・インターフェイスといったペリフェラルは、これらのシステムで複数の異なるアーキテクチャを実現する上で役立ちます。
AM64x MPUの特長
- 最大2つのArm® Cortex®-A53 CPU 最高1GHz
- 最大4つのArm® Cortex®-R5F CPU 最高800MHz
- 1つのArm® Cortex®-M4F CPU 最高400MHz
- 2つのギガビット産業用通信サブシステム(PRU_ICSSG)
- 内蔵RAM 2MB SRAM(ECC付き)、256KB TCM、256KB L2(ECC付き)、256KB SRAM
- 1つの12ビット高速ADC ~4MSPS
- 8chのシグマデルタ復調入力(SDFM)
- 3つの直交エンコーダ・パルスモジュール(eQEP)
- 9つの多機能パルス変調モジュール(ePWM)
- 3つの拡張キャプチャ・モジュール(eCAP)
- シリアル通信 (UART、OSPI、I2C、CAN、CAN-FD、McSPI、USB2.0、USB3.1、FSI、10/100/1000 Ethernet、IEEE1588)
- PCI Express Gen2(PCIE)
- 外部パラレルバス(GPMC 16/32)
- メモリ サブシステム(LPDDR4、DDR4)
- メディア/データストレージ(MMC/SD/SDIO)
- 機能安全(IEC61508 SIL2/SIL3)
- EtherCAT HWアクセラレータ
- セキュリティ(セキュアブート、AES、3DES、MD5、SHA、DRBG、PKA)
AM64x MPUの強み
- 複数のコアによる最高12000DMIPSの計算能力でアプリケーションのパフォーマンスを向上
- 複数の産業用イーサネットベースプロトコル(EtherCAT、EtherNet/IP、PROFINET等)に対応
- Linuxアプリケーションに必要となる強力なコンピューティングを実現
- 機能安全アプリケーションに対応(Cotex-M4FコアによるMCUアイランド)
AM64x/AM243x のターゲットアプリケーション
- プログラマブル・ロジック・コントローラ (PLC)
- モータードライブ
- リモート I/O
- 産業用ロボット
- ステータス監視ゲートウェイ
- プロテクションリレー
- 通信モジュール
- フィールド・トランスミッタ
- 試験 / 測定
- 汎用コントローラ
AM64xブロック図
TI Arm®ベースの開発環境
評価ボード
型番 | 概要 | 特長 | 製品サイト 製品イメージ |
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AM64x EVM (TMDS64EVM) |
産業用ネットワークおよび制御用に最適化 主要なデバイス・インターフェースの評価が可能 |
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TMDS64EVM 製品サイト![]() |
Starter Kit (SK-AM64B) |
幅広い市場向けに低コストを実現 EVMに比べI/O機能は制限あり |
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SK-AM64B 製品サイト![]() |
AM243x EVM (TMDS243EVM) |
産業用ネットワークおよび制御用に最適化 主要なデバイス・インターフェースの評価が可能 |
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TMDS243EVM 製品サイト![]() |
AM243x LaunchPad (LP-AM243) |
複数のブースターパックオプションを持つAM2434 Launchpad (Iolink) |
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LP-AM243 製品サイト![]() |
SK-AM62B-P1 | HDMI(over DPI)とLVDSによる優れたデュアルディスプレイ機能、およびシリアル通信を使用した産業用通信ソリューションを実現 |
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SK-AM62B-P1 製品サイト![]() |
SK-AM62A-LP | シングル・カメラ向けの MIPI®(mobile industry processor interface) CSI-2 カメラ・コネクタを搭載、エッジ側にあるさまざまな組込みビジョンおよび AI アプリケーションに最適 |
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SK-AM62A-LP 製品サイト![]() |
ソフトウェア開発キット(SDK)
ソフトウェア開発キット(SDK) | サポートOS |
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AM64xソフトウェア開発キット(SDK) | Linux(A53), FreeRTOS(R5F, M4F, A53) |
AM62Axソフトウェア開発キット(SDK) | Linux(A53), FreeRTOS(R5F, C75, A53) |
AM62xソフトウェア開発キット(SDK) | Linux(A53), Android(A53), FreeRTOS(M4F, R5F) |
AM437xソフトウェア開発キット(SDK) | Linux(A9) |
AM335xソフトウェア開発キット(SDK) | Linux(A8) |
AM263xソフトウェア開発キット(SDK) | FreeRTOS(R5F) |
AM243xソフトウェア開発キット(SDK) | FreeRTOS(R5F, M4F) |
Arm®-Cortex® ベース MCU・MPUシリーズの開発事例
AM62xとAM243xによるマシンビジョンシステム
AM62xを使用することにより、マシンビジョンシステムやHMI(ヒューマン・マシン・インターフェイス)などのアプリケーションを高いコストパフォーマンスと低消費電力で実現できます。またAM243xを使用することにより、さまざまな産業用通信プロトコルに対応できます。
AM243xによる産業用モータ制御
AM243xを使用することにより、従来はモータ制御用と通信用に2チップ構成であったものを1チップに統合し、コストおよびチップ間インターフェースに関する待ち時間を削減することができます。
自社製品採用事例
GoriRack/環境監視システム
GoriRack(ゴリラック)は、サーバラックの温度・湿度・電源・扉・電子錠など様々な環境をモニタリングするシステムです。哺乳類の中でも非常に高い知能を持ち、縄張り意識が高く警戒心が強い動物と言われているゴリラのようにデータセンター/通信局舎のラック環境を見守ります。
フロアマップ監視、運用に合わせたレポーティング機能、既存システムとの連携カスタマイズによりオープンシステムにはない利便性を提供します。
センサマネジメントユニット:RMS-3200/RMS-5000
サーバラック環境を監視するRMSシリーズの最新製品です。
従来製品のRMS-4000では「AM3352」を採用していましたが、最新製品のRMS-3200/RMS-5000では「AM6412」を採用し大幅な性能向上を実現しています。
RMS-3200/RMS-5000は、RMS-4000を小型化、無線ユニット対応、IoT対応を行ったものになります。RMS-5000を無線親機とした、無線温度センサ子機の開発も行っています。
ハードウェアブロック図:RMS-3200/RMS-5000
仕様一覧: RMS-5000/3200 および RMS-4000
機種 | RMS-5000/3200 | RMS-4000 | ||
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制御部 | CPU | AM6412(TI) 64bit 1GHz Cortex-A53 Dual | AM3352 (TI) 32bit 1GHz Cortex-A8 Single | |
メインメモリ | DDR4 2GB | DDR3 512MB | ||
SRAM | 2MB | 1MB | ||
EEPROM | 1Mbit | 256Kbit | ||
フラッシュメモリ | 512MB | – | ||
EMMC | 32GB | 12pin | ||
ネットワーク部 | 仕様 | 10/100/1000BASE-T(X), Auto-MDI/MDIX | 100/1000BASE-T(X), Auto-MDI/MDIX | |
コネクタ | RJ-45 1ポート | RJ-45 2ポート | ||
無線通信 | 仕様 | Connec-TED 採用モジュール | – | |
アンテナ | S181AH-2450Sor S181FL-RMM-2450S | – | ||
デジタル入出力部 | 入出力仕様 | 入力8点 出力8点 | 16点 | |
切替機能なし | ジャンパ設定により各点ごとに入力/出力の切替えが可能 | |||
入力 | 仕様 | フォトカプラ絶縁入力 | フォトカプラ絶縁入力 | |
電源供給 | 切替機能なし | ジャンパ設定により各点ごとに外部/内部の電源供給切替えが可能 | ||
入力電圧 | 内部電源:12Vを供給 | 内部電源 12Vを供給 | ||
切替機能なし | 外部電源:12V(5V~24V) を入力 | |||
フォトカプラ | TLP185相当 | TLP185相当 | ||
出力 | 仕様 | リレー出力 | リレー出力 | |
許容電圧、電流 | AC125V 0.3AまたはDC30V 1A | AC125V 0.3AまたはDC30V 1A | ||
コネクタ | XW4A-08C1-H1 (オムロン) | XW4A-08C1-H1 (オムロン) | ||
1-Wire | チャネル数 | 2ch | 2ch | |
コネクタ | – | RJ45 | ||
RS485 | 仕様 | – | 1ch | |
ターミネータ | – | ON固定 | ||
接続数 | – | 最大16デバイス | ||
コネクタ | – | RJ45 | ||
Micro SD | コントローラー | CPU内蔵 | CPU内蔵 | |
コネクタ | DM3AT-SF-PEJM5 (ヒロセ) | DM3AT-SF-PEJM5 (ヒロセ) | ||
LED表示部 | パワー | 赤緑 x1 | 緑 x1 | |
ステータス | 緑 x1 | 緑/緑(2段)×4 | ||
LED操作部 | ロータリースイッチ | – | A6RV-101RF | |
DIPSW | 筐体内部 | 8bitx2 | – | |
筐体 | 4bitx1 | 4bitx1 | ||
時計部 | 仕様 | バッテリパックアップ、 月差±60秒以内 | バッテリパックアップ、 月差±60秒以内 | |
コントローラー | RX-8564 (エプソン) | RX-8564 (エプソン) | ||
バッテリ | CR2032(ソケット装着) | CR2032(ソケット装着) |
導入事例
サーバ関連
大手情報・通信事業者様、インターネット接続サービス業者様:データセンター
環境監視デバイス関連
通信事業者様:基地局の監視、マシン室の監視等
国内大手イーコマース事業者様:無線温湿度センサーのConnecTED THをラックモニタリングのRMS-4000と組み合わせて利用
ラックセキュリティデバイス
大手情報・通信事業者様、インターネット接続サービス業者様:データセンターにおけるラックの扉の解錠施錠管理
TI Arm®-Cortex® ベース MCU/MPUの供給体制および供給継続性
TIは、次世代を担う半導体製造施設の拡充による製造能力拡張を行うことで、組み込みプロセッシング製品、アナログ製品に関して信頼できる供給体制の実現に取り組んでいます。
また、製品寿命と供給の継続性に対する取り組みとして、TI の製品ライフサイクルは通常10年から15年で、多くのお客様のご要望に合わせて延長することもあります。
関連製品・サービス










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