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システムヘルスモニタを活用したFPGA電源設計

 

東京エレクトロンデバイスでは、多種多様な半導体製品を取り扱う商社機能で得られたマーケティング力と最先端の知見、また設計開発センターの持つ高度な技術と豊富な実績を最大限に活かし、設計・量産受託サービスを提供しています。

その中でもご提案の段階から試作開発、量産製造および製造後のサポートまで、”ものづくり”のワンストップサービスを提供していくうえでは、高い柔軟性を持ち仕様変更による機能変更が容易なFPGAデバイスは設計開発に欠かせないものであり、その設計は弊社の得意とするところでもあります。

昨今の FPGA は集積度や速度性能、消費電力、開発ソフトウェアの高機能化、IP コアの充実など多くの面で進化を続けています。ただし一方で電源設計の各要件も複雑化しているという課題も生じています。

今回の特集ではFPGA電源回路の設計手法について、上記の課題を解決するTI社システムヘルスモニタ製品に着目してご紹介いたします。

 

 

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近年のFPGAにおいては、内部の各機能ブロックに対してそれぞれに電源レールが必要となります。その要件(電圧/電流/精度/電圧リップル/負荷変動/シーケンシングetc)はレールごとに異なります。

 

 

上記に示すようにFPGAには複数の電源レールが存在し、この電源起動時にはシーケンスを順守する必要があります。シーケンスの制約はデバイスによって異なりますが、例えばXilinx社のVirtex UltraScaleでは、VCCINT/VCCINT_IO、VCCBRAM、VCCAUX/VCCAUX_IO、VCCOの順に起動することを推奨しています。

起動時のシーケンス制御を守らないと過大な突入電流やラッチアップの発生により、ICが破損してしまう可能性やロジック回路の状態が不定となり意図しない動作をしてしまう可能性もあるため、高い信頼性を維持するためにその順守は必須の対応となります。

 

またデバイス動作の停止時には起動時とは逆の順番で各電源レールのパワーダウンを行うシーケンスを守る必要があるデバイスも数多く存在します。

このような各電源レールの起動/停止時のタイミングを詳細に制御するためには、シーケンスにかかわる各電源レールの電圧を監視し、その値の変化に応じて次の電源レールのオン/オフを切り替える方法が有効です。

なおFPGAには多くの電源レールが存在しますが、ここでは最も一般的な4種類のレールであるコア、トランシーバ、補助、入出力(I/O)の各レールに焦点を絞って見ていきます。以下は各レールの要件をまとめた図です。

 

 

FPGAファミリによって各要件の要求値は異なりますが、コア電圧レールやトランシーバレールには高い出力電圧精度の要求がある場合が一般的です。

他にも各電圧レールごとに異なる要求がありますが、デバッグの段階でそれらを達成できているかを判断したり電源電圧がデバイスの要求範囲外に逸脱していないことを切り分けて確認するためには、各電源レールを監視しフォルトログを残す仕組みも重要視されます。

 

 


 

 

 

前項では電源レール要件についてご説明しましたが、ここでは諸要件をクリアするために異なる電圧をモニタし制御可能なTI社システムヘルスモニタ製品についてご紹介いたします。

例えば、TI社のUCD9090Aはランプアップ/ダウン時間、オン/オフ遅延、シーケンス依存性や電圧と電流の値をモニタ可能な製品です。

 

UCD9090Aの特徴
・10の電圧レールの監視とシーケンス
・モニタごとのエラーとピーク値の不揮発性ログ出力
・10レールに対する閉ループのマージン設定
・ウォッチドッグ・タイマとシステム・リセットをプログラム可能
・柔軟なデジタルI/O構成
・GPIによりトリガされるフォルトへの応答と監視
・複数の電源シーケンスICを簡単にカスケード接続し、調整されたフォルト応答を取得
・ピンによりレール状態を選択
・複数のデバイスのカスケード接続
・マルチフェーズのPWMクロック・ジェネレータ
・JTAGおよびI2C/SMBus/PMBus™インターフェイス

https://www.ti.com/tool/UCD90SEQ48EVM-560

 

システムヘルスモニタ製品には、パワーアップおよびパワーダウンシーケンスをプログラムするためのGUIツールとして「FUSION_DIGITAL_POWER_DESIGNER」が付属しています。

本ツールを用いることで直感的にシーケンス設定を作成することが可能であり、また作成した設定をICに書き込むことで任意の制御とフォルトログを残す手段が同時に実現可能です。

 

GUIツール

 


 

 

 

システムヘルスモニタ製品は設計受託サービスや、弊社自社ブランドのFPGA評価ボード製品等で数多くの採用例がございます。

ここではTI社のUCD9090Aを採用した弊社自社製品の一例として、Xilinx社のKintex UltraScale 060/115 FPGAを搭載した評価ボードを以下に示します。

 

Kintex UltraScale FPGA評価ボード

電源ブロック図

 


 

 

 

今回の特集ではFPGA電源設計におけるTI社のシステムヘルスモニタ製品を活用事例として取り上げましたが、弊社には基板設計、ソフトウェア設計、FPGA設計、筐体設計、電源設計、それぞれの分野にエキスパートがおり、また多くの実績で積み上げられたノウハウにより、仕様に応じた最適なご提案が可能です。

無料のオンライン相談サロンも開設しておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

 

 

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