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金属プレス部品 外観検査
■業界:部品製造
金属プレス部品製造の際に発生するバリやたわみは、発生する箇所がさまざまなためプレス工程での自動検査が難しく、プレス後に目視の抜き取り検査を行うことが主流でした。目視検査は人により判定が曖昧になりやすく、抜き取り検査では不適合部品のとりこぼしを完全に防ぐことができないため、安定した品質を保つことが難しいという現状もありました。この目視による抜き取り検査を、高速画像処理により自動化させ、全数検査を実現した事例をご紹介します。
課題
バリやたわみ、全数検査への課題
【業務課題】
・検査のバラつき排除
・品質安定に向けた全数検査
解決ポイント
密着ラインセンサ
【課題】ワーク周辺部の検査環境構築
目視による抜き取り検査を自動化し、全数検査を行うために、金属プレス部品を搬送台へ乗せて流し、流れてくる部品をたわみのない状態にしてカメラで撮影します。
一般的に、ワークを撮像するためには、エリアカメラを使用しますが、今回の場合、エリアカメラでは画角の影響から金属プレス部品の周辺部でバリが死角に入り、検査が行えない問題が発生します。これを、密着ラインセンサを使用して、真上からコピー機のスキャナで読み取るように撮像することで、金属プレス部品に対しての死角がなくなり、カメラレンズによるひずみがない画像を取得することができます。
図1. 搬送台上で金属プレス部品を撮像
GPU で画像処理を高速化
【課題】高速画像処理
流れてくる金属プレス部品を搬送台に乗せたまま、バリとたわみの検査を同時に行うためには、密着ラインセンサで撮像した金属プレス部品の画像データを、正常品データと比較する工程が必要となります。
透過と反射2種類の照明を密着ラインセンサに搭載し、照明の点灯と消灯を制御して撮像した画像を正常品データと比較することで、バリとたわみの検査を1 度に行う工程を実現しました。撮像から画像比較までの動作は、GPU対応画像処理ライブラリ* を使用して画像処理を行うことで、プレス加工機のタクトに合わせた高速画像処理を実現しています。
*FAST GPU Accelerator ソフトウェア
図2. 撮像した金属プレス部品データと正常品データとの画像比較