製品・サービス
異常検知 組込AIソフトウェア
CX-Wは、お客様(製造業)の設備の異常検知・予知保全を可能にする装置・設備メーカー向けの組込用AIソフトウェアです。独自のAIアルゴリズム(機械学習)が正常データの数値分布と項目間相関を学習して推論モデル(監視閾値)を生成し、設備の変化・異常をリアルタイムに検知します。1つのソフトウェア内でデータ学習・推論モデル生成・監視を実現すると共に各機能はAPIで制御可能なため、装置に素早く機能を実装でき、異常検知のエッジコンピューティングを可能にします。これにより、装置・設備メーカーは、メンテナンス性の高い製品、サービスをお客様に提供することが可能になります。
概要
設備の変化・異常をリアルタイムに検知
現在多くの装置・設備メーカーが、装置の高機能化、メンテナンス性の向上(予知保全)のために、設備稼働のデータを活用して異常検知を行うAIの開発に取り組んでいます。
設備のAI監視には大きくわけて、「異常検知(変化監視)」と「状態診断(判別)」に分かれます。異常検知とは、通常の稼働データ(正常データ)を学習し、分布範囲が大きく外れたり、データパターンが異なったりした場合に、その変化の度合いを検知します。「状態診断」は、過去の正常データと異常データを学習し、データと事象の因果関係を分析し診断します。
CX-Wは、独自のAIアルゴリズムが正常データの数値分布と項目間相関を学習して推論モデル(監視閾値)を生成し、設備の変化・異常をリアルタイムに検知します。1つのソフトウェア内で学習・推論モデル生成・監視を実現すると共に各機能はAPIで制御可能なため、装置に素早く機能を実装できます。
【装置へCX-Wを組込み異常検知・予知保全の機能を追加】
>>【特集記事】装置メーカーが強くなるDXメンテナンスサービスとは?
リスクを最小化すること、発生した場合でも早期に復旧できる体制・仕組みにしておくことはスマートファクトリーでは重要な要素となります。本特集では、装置メーカーが顧客に対して高付加価値のサービス提供を可能にする「DXメンテナンスサービス」の実現方法をご紹介します。
特徴
設備の異常検知・予知保全を可能にする6つの特徴
1.自動学習・推論実行
学習機能は、監視したい対象設備のデータを指定することから始めます。学習するデータ項目と行数(データ数)を指定するだけで、各項目の数値分布および、項目間相関のバランスを自動で機械学習し推論モデル(監視閾値)を生成し、監視を行います。過去の作成したモデルに切り替えたり、複数のモデルを平行で動作させることも可能です。
2.変化を警告指数化し異常検知
CX-Wが生成する推論モデルは、正常データで学習して作り出した基準からの変化度合いを「警告指数」というスコアで出力します。標準では警告指数が0を自動閾値設定しますが、利用者が警告指数に合わせて独自に閾値を設定・変更することも可能です。
3.オンライン状態監視
データ学習・推論モデル生成・監視までがすべてオンラインで動作するため、装置へ組込みシステム化することで人の関与なしに異常検知・予知保全の仕組みを実現することができます。
4.警告理由を出力
CX-Wが生成する推論モデルは、正常データで学習した基準からの変化度合いを「警告指数」として監視します。警告指数が上昇した際は、なぜ上昇したのかの要因情報(影響を与えたデータ項目、相関関係が崩れた対象項目等)を合わせて出力するため、設備のどこをチェックすればよいかの手がかりが得られます。
5.軽快なアプリ動作
本ソフトウェアは、Windows or Linux (32bit or 64bit)で動作する組込用ソフトウェアです。機械学習を用いた学習や推論モデルによる監視もFA PCのスペックレベルで動作が可能です。
6.APIで機能制御
データ学習開始・停止、推論モデルの変更などCX-Wの機能制御はすべてAPIにてコントロールが可能となっています。装置メーカーの技術者は、このAPIを活用し装置への機能組込が簡単に行えます。
API組込実装方法
CX-Wは、収集データを読み込み、データ学習・推論モデル生成・監視を自動で行います。学習は、指定データ列と行数を学習し推論モデルを生成します。生成された推論モデルはデータ1行毎に推論実行し監視結果(警告指数、警告指数に影響を与えたデータ種類等)をCSVファイルに出力するため、お客様はこのファイルをもとに結果に応じて制御やメール通知などの処理を組合せることが可能です。1つの装置内で、複数の推論を実行し監視することも可能です。また、CX-Wにバンドルされているランチャー(専用ツール)にプロセスを登録することで、API(HTTP)を使ってプロセスごとに任意のタイミングで起動・停止を行うことができます。
機能検証用 簡易GUIツール
CX-Wには、導入を検討いただくために検証用簡易GUIツールが用意されています。APIを使った実際の開発・実装前に、本ツールを使って実際のデータを学習させ異常検知が実現できるか確認いただけます。Windows、Linux OSの両方に対応したバイナリを用意しています。(※一部の機能はAPIでしか利用できません)
製品仕様
CX-W動作仕様
対応OS | Windows (32bit / 64bit) Linux (32bit / 64bit) |
---|---|
対応CPU | x86系、ARM系 |
推奨メモリ | 2GB以上 |
USBポート | 1つ以上 認証用USB挿入用 |
用語解説
エッジAIとは
エッジAIとは、エッジコンピューティングから派生した用語で、データ学習をして作成したAIの推論モデルをエッジで動作させることをいいます。AIの種類は、物体認識、物体検出、異常検知、故障予測などさまざまな種類が想定されます。例えば、製造業の工場を例とるとデータの発生源の近くでAIが推論するため、現場で製品の検査データからOK/NGを仕分けしたり、設備の稼働データから異常検知したりすることが可能です。利点としては、高パフォーマンス、通信コストの削減、セキュリティ維持、導入コストの削減などが上げられます。