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設計 設計・製造受託
画像処理ライブラリの活用と
MATLAB連携で加速するFPGA開発
画像処理ライブラリ(WIL)は、PC上で画像処理アプリケーションを開発するためのに最適な画像処理ライブラリです。PCの能力を最大限に活用することができます。
目次
画像処理ライブラリ(WIL)とは
特徴
- 豊富な機能:カラー・濃淡・2値画像操作、空間フィルタ、モルフォロジ、幾何変換、ブロブ解析、コード認識など
- 開発効率向上:C#対応クラスライブラリ、Visual Studio対応、GUI分離で柔軟な拡張
- 高速処理:GPUオプション(FGA)で最大約25倍の高速化
- 柔軟なメモリ管理:10bit/12bit対応、異種カメラ・ボードの併用可能
- マルチスレッド対応:PC性能を最大限に活用
開発支援
- WIL-Builder:ドラッグ&ドロップで画像処理フローの作成、ソースコード生成、プラグイン対応
- 評価ツール:ヒストグラム、濃度波形、ベンチマーク機能
用途
- 外観検査、寸法計測、位置決め、部品選別など
- 対応業界:機器製造(医療機器含む)、半導体、電子部品、自動車、食品、薬品など
ユースケース
薬液バッグ製造検査
現在、輸液等の薬液を収容する容器は、プラスチックフィルムの薬液バッグが主流です。取り扱いやすく廃棄も簡単である一方で、製造段階では成型後に印刷状態や寸法、異物混入などの検査を人手で行っているのが現状です。
業務課題
- 薬液バッグの成型前の印刷状態のチェック
- 成型後の異物検査・寸法検査の自動化
WILで役立っている機能
- サーチでの位置決め
- 差分処理による異物検出
安定した検査環境の構築
薬液バッグは、ロール状になった印刷済みフィルムを切断しながら成型します。
従来は成型後に印刷検査を人手で行っていましたが、成型前に印刷検査を自動化する仕組みを導入し、印刷状態の良くないものは事前に取り除くことができるようになり、作業の無駄がなくなりました。
印刷検査は、まずロール状のフィルムを取り込むローダー部で印刷状態をカメラと照明を使用して撮像します。

次にマスターとなる良品の印刷結果と比較し、問題箇所がないかをリアルタイムに確認します。
薬液バッグの姿勢の固定化
成型後には、1 袋ずつ成型が正常に行われたかの寸法検査と印刷のズレがないかを検査しますが、柔らかいバックは形が安定しないため、搬送中にカメラで撮像してもピントが合わず検査できませんでした。
その解決のため、薬液バッグの位置固定化のための専用治具を用いてカメラのピントが合う仕組みを構築することで、異物検査および寸法検査の自動化を可能にしました。

安定した製造ラインを実現するため、装置メーカーと連携しフィルムを搬送しながら、自動検査が可能な仕組みを構築しました。
金属部品検査
金属プレス部品製造の際に発生するバリやたわみは発生する箇所が様々なためプレス工程での自動検査が難しく、プレス後に目視の抜き取り検査を行うことが主流でした。
目視検査は人により判定が曖昧になりやすく、抜き取り検査では不適合部品のとりこぼしを完全に防ぐことができないため、安定した品質を保つことが難しいという課題がありました。
この目視による抜き取り検査を高速画像処理により自動化させ、全数検査を実現しました。
業務課題
- 検査のバラつき排除
- 品質安定に向けた全数検査
WILで役立っている機能
- GPUを用いた差分検査


ワーク周辺部の検査環境構築
目視による抜き取り検査を自動化し、全数検査を行うために金属プレス部品を搬送台へ乗せて流し流れてくる部品をたわみのない状態にして密着ラインセンサカメラで真上からコピー機のスキャナで読み取るように撮像するします。
そうすることで金属プレス部品に対しての死角がなくなり、カメラレンズによるひずみがない画像を取得することができます。
GPUで画像処理を高速化
流れてくる金属プレス部品を搬送台に乗せたままバリとたわみの検査を同時に行うために密着ラインセンサで撮像した金属プレス部品の画像データを正常品データと比較します。
透過と反射2種類の照明を密着ラインセンサに搭載し、照明の点灯と消灯を制御して撮像した画像を正常品データと比較することでバリとたわみの検査を1 度に行う工程を実現。
撮像から画像比較までの動作はGPU対応画像処理ライブラリを使用して画像処理を行うことで、プレス加工機のタクトに合わせた高速画像処理を実現しています。
カーボン繊維積層検査
炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製品を生成するには、軽量性、高強度複合材として使用されるプリプレグシートを何層にも貼り合わせる(積層する)工程があり、この積層工程において人の目視作業に頼っていた各層の浮きや異物の有無を検査を自動化しました。
業務課題
- 貼り合わせ位置確認
- 浮き、異物確認
WILで役立っている機能
- レーザーを用いた光切断処理で凹凸の良品判定
高さ(3D)測定
積層されたシートの状態を検査するため、光切断法による高さ計測を活用。光切断法は検査ニットにカメラとレーザーを同時搭載し、ヘッドを少しずつ動かしながら都度レーザーの凹凸を撮像して高さ情報を生成し、高さの面を作ることができます。
高さ情報を濃度情報に置き換えて高さを図った画像を作り、その画像からシートの浮きがないか、異物によって突起物かないかを確認・検査します。
特に異物検査ではシート間に異物があることが多くシート盛り上がりを精密に検知します。
高速プロファイル
リアルタイム検査を実現するために光切断法の画像処理をハードウェアにオフロードすることで高速化するとともに検査ユニットを装置の走行部に搭載することで積層しながら張り合わせ位置検査、浮き検査、積層内異物検査を実現。
これにより最大毎分40m での検査を可能にしました。


TED カスタムBSPとの連携によるMATLABモデルからFPGA実装までの流れ
WILはC#やC++での開発に対応し、低位ライブラリとしてC言語ベースのFIEを提供しています。このFIEを活用することで、MATLAB/Simulink環境に画像処理アルゴリズムを統合し、モデルベース開発(MBD)を実現できます。さらに、東京エレクトロンデバイス(TED)が提供するMATLAB/Simulink対応カスタムボードサポートパッケージ(BSP)を組み合わせることで、MATLABモデルからFPGA実装までを効率的に進めることが可能です。

画像処理ライブラリWIL、MATLAB、もしくは両方にご興味ございましたらまずはお気軽にお問い合わせください。
