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進化する液面検知技術
「第5世代CAPSENSE™」とMulti-Senseの実力とは
前回の記事では、容量式液面検知の基本原理や検知方式(自己容量/相互容量)について紹介しました。
今回は、続編として、Infineon社が提供する最新の「第5世代CAPSENSE™」および「Multi-Senseソリューション」を用いた容量式液面検知技術の可能性についてご紹介します。
目次
第5世代CAPSENSE™とは
第5世代CAPSENSE™は、自己容量/相互容量/誘導といったセンシング方式を1チップでサポートし、高感度・高耐ノイズ・省電力を実現した、静電容量センサ技術です。
主な特徴
- 最大450:1の高SNR
- 45cm超の検知距離
- 平均消費電流は第4世代CAPSENSE™の1/10以下
- 電源ノイズ・コモンノイズ耐性も大幅改善
この技術は液面レベルだけでなく、タッチ/近接/誘導検知など、さまざまなセンシングに適用可能です。
第5世代CAPSENSE™とは
第5世代CAPSENSE™は、自己容量/相互容量/誘導といったセンシング方式を1チップでサポートし、高感度・高耐ノイズ・省電力を実現した、静電容量センサ技術です。
主な特徴
- 最大450:1の高SNR
- 45cm超の検知距離
- 平均消費電流は第4世代CAPSENSE™の1/10以下
- 電源ノイズ・コモンノイズ耐性も大幅改善
この技術は液面レベルだけでなく、タッチ/近接/誘導検知など、さまざまなセンシングに適用可能です。
Multi-Senseとは
Multi-Senseは、タッチ、スライダー、近接、メタルタッチ、ホバータッチ、液面検知など、複数のセンシング方式と多様なユーザーインターフェースの組み合わせをサポートするソリューションです。
液面検知における主な利点
- 検知対象が泡か液体かを機械学習で自動識別
- 容器側面に付着した液を無視し正確な液面のみ検出
- 楕円・不規則形状の容器でも機械学習により補正
- 温度・液種(導電率)の違いにも対応
統合開発環境 ModusToolbox™と連携し、GUI上で学習・設計・チューニングを完結可能。最大0.1mmステップでの高分解能液面検知にも対応しています。
第4世代CAPSENSE™との比較
比較項目 | 第4世代CAPSENSE™ | 第5世代CAPSENSE™ | 備考 |
---|---|---|---|
動作電圧 | 1.71~5.5V | ||
SNR | 30:1 | 450:1 | 約11.8dB改善 |
検知距離(近接) | ~30cm | ~45cm超 | 20cmループ径 |
消費電流 | 2000μA | 200μA | 13センサ動作時 |
電源トランジェント耐性 | <26% | 1% | VDD=5V |
コモンモードノイズ耐性 | <15% | 5% | VDD=5V |
ノイズ耐性・省電力・感度において、劇的に性能が向上しています。
分解能の進化
- 最大100cmの容器に対して、0.1mmステップでの液面検知が可能
- 泡や残液の誤検知を避けるAIモデル利用可能
- ModusToolbox™上のGUI操作だけで分解能調整が可能
非接触機能の進化
第5世代CAPSENSE™では、最大3mmのエアギャップ(容器外センサ設置)でも正確な検出が可能です。これにより、以下の利点があります。
- センサの水漏れや腐食リスクを回避
- 密閉容器・洗浄が必要な医療機器でも導入しやすい
- さまざまな材質・厚み・形状の容器に対応
液面検知における評価キット・開発環境
液面検知用途に適した評価環境として、以下のツールを紹介します。
- PSOC™ 4000T Multi-Sense Prototyping Kit:PSOC™ 4000T ベースの第5世代CAPSENSE™評価ボード
- ModusToolbox™:GUIベースでの液面検知アルゴリズムの実装や閾値設定・ソースコードの作成・デバッグ・書き込みなどが可能な統合開発環境
ユースケース:液面検知の適用例
第5世代CAPSENSE™テクノロジーにより、以下のような小型~中型機器への応用が可能です。
- 医療用/産業用タンク(検体検査装置、AIサーバー用冷媒タンクなど):非接触で内部液体レベルをモニタリング


・家電(加湿器・コーヒーメーカー・トイレ・インクカードリッジなど):貯水量・残量の監視、水切れ時の自動OFFやアラート機能に


まとめ
第5世代CAPSENSE™は、液面検知を・高精度・非接触へと進化させました。評価キットやツール群も充実しており、設計・検証・製品化まで一貫した開発が可能です。
今後は、液面検知を利用したスマートホーム機器やIoT医療機器の開発がますます進むことが期待されます。