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容量式液面検知技術の進展と今後の展望
液体のレベルを正確に検知することは、医療、化学、製造業といった多くの分野で重要な役割を果たしています。特に、非接触で高精度な検知を可能にする容量式液面検知技術は、今後ますます重要性を増していくと考えられます。
本記事では、容量式液面検知技術の基本的な原理と応用例、さらに技術の発展と今後の展望についてご紹介します。
容量式液面検知技術の基礎
容量式液面検知技術は、主にセンサーと液体との間で発生する電界の変化を捉えることで、液体のレベルや存在を検知します。センサーは、液体の誘電率変化により発生する電気容量の違いを利用して測定を行います。この技術は非接触での検知を可能にし、液体の性質や環境に左右されにくいという利点を持ちます。
図1はInfineon Technologies社のPSoC4デバイスとCapSense技術を活用したシステムで、液面の変化を検知します。この技術は、製造ラインや医療機器の液体管理において、有用だと考えられます。
図1 静電容量型液面センサーの静電容量と電場及び液体が近づいた際の追加静電容量
自己容量方式と相互容量方式
容量式液面検知技術には、自己容量方式(Self-Capacitance)と相互容量方式(Mutual-Capacitance)の2つの方式があります。
図2のような自己容量方式は、センサー自身の電極の容量を測定し、単一のタッチや液体の存在を検知するシンプルな方式です。この方式は、小型のインターフェースやコンパクトなシステムに適しています。
図2 自己容量方式
図3のような相互容量方式は、送信電極(TX)と受信電極(RX)の間の電界変化を利用し、複数のタッチや液体の変動を高精度で検知する方式です。複雑な操作環境やマルチタッチ対応が必要な場合に適しています。
図3 相互容量方式
両方式ともに、液面の正確な管理やリアルタイムの監視が求められる環境での使用が期待でき、特に製造業や医療機器の分野で広く利用が期待されます。
今後の展望
今後、容量式液面検知技術は、AIや機械学習との統合によってさらに進化し、より精度の高い液面管理が可能になると考えられます。また、自己容量方式と相互容量方式の融合によるハイブリッドシステムが登場すれば、複雑な液体管理が求められる場面でも高い信頼性を期待できます。これにより、液体管理の自動化や効率化が一層進み、医療、製造、家庭用製品など多岐にわたる分野での応用が期待されます。
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