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開発ストーリー
~創薬専用スーパーコンピュータ「MDGRAPE-4A」~

開発ストーリー ~創薬専用スーパーコンピュータ「MDGRAPE-4A」~

弊社設計開発センターでは、基板設計、ソフトウェア設計、FPGA設計、筐体設計、電源設計など、豊富な開発実績があります。本特集記事では、理化学研究所の創薬専用スーパーコンピュータ「MDGRAPE-4A」の開発に携わった際の事例紹介をしたいと思います。理化学研究所は2019年11月に「MDGRAPE-4A」の開発成功を発表し、2020年3月には新型コロナウイルス感染症の原因ウイルスのシミュレーションを行い、そのデータを創薬研究者に公開するなど、さっそく活用が始まっています。

 

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MDGRAPE-4Aとは

 

近年、コンピュータ(シリコンチップ)のシミュレーションにより創薬を行う「インシリコ創薬」に注目が集まっています。しかし、細胞の機能を制御するタンパク質の構造解析を行うためには、汎用スーパーコンピュータを用いても膨大な時間がかかるため、分子シミュレーションを高速で行う専用スパコンが必要でした。

理化学研究所の泰地先生の研究チームでは、分子シミュレーションを行うために、分子動力学(MD)計算に必要な機能を一つのLSIに統合した大規模なシステムオンチップを開発しました。「MDGRAPE-4A」はそのLSIを512個搭載した分子シミュレーションに特化したスパコンで、システム全体として約1.3ペタフロップス(1秒間に1,300兆回)の計算能力を持ち、これまでの汎用スパコンで最短でも1年3カ月かかっていた分子シミュレーションを約3カ月で完了することができるなど、シミュレーション時間の大幅な短縮を実現しており、創薬の可能性を広げるものと期待されております。

 

MDGRAPE-4A

 


 

 

TEDの役割は?

 

弊社では、泰地先生の研究チームが開発した分子動力学(MD)計算専用LSI(以下、LSI)とその制御用FPGAなどを搭載した基板や光伝送システム、システムを動作させるためのソフトウェアなどの設計開発、基板を収めるラックやキャビネットの筐体設計に加えて、スパコンの組み立て・設置作業、電気工事、協力会社のとりまとめなど、プロジェクトリーダーとしてスパコン開発に関するあらゆる業務を行いました。

 

開発フロー

 


 

 

システム概要について教えて

 

「MDGRAPE-4A」は、LSIを8個とその制御FPGAなどを搭載した基板をラックに取り付け、16ラックを1台のキャビネットに格納、4キャビネットを組み合わせています。システム全体で512個のLSIと、データの光伝送を行う384本の光ファイバーケーブルを有する、大型システムです。

 

システム概要

 


 

 

基板周辺概要について教えて

 

本システム内の基板は、1,444ピンのLSIを8個、制御用FPGAを5個や大容量電源ICなど周辺部品を搭載するため、サイズ420cm×500cm、28層、厚さ3.7mmという規模となりました。

大規模基板の設計に際し、LSIの配置によっては信号が減衰してしまうため、細心の注意を払ってAW設計を行い、基板完成後もLSIや周辺部品の設定の調整を繰り返しました。

熱対応も必須でした。総消費電力は約1,000Wにも及びます。搭載部品が高温になると処理能力が低下するため、効率的な冷却システムが必要です。LSIには特注の銅製ヒートシンクを、制御用FPGA及び大容量電源ICにはカスタム設計したヒートシンクを取り付け、基板を組み付けるラックは、前面をパンチメタル形状の冷気吸入口をに、背面には5つの大容量ファンを取り付け、空冷システムを構築しました。

 

基板周辺概要

 


 

 

熱対策と光伝送システムを支えるラック、キャビネットとは・

 

基板を取りつけるラックは、LSIに接続した48本のテープファイバーに負荷をかけず、かつ省スペースで収められるための工夫が必要でした。前面パネルは熱対策のためにパンチメタル形状にしながらも、光ファイバーケーブルの重さに耐えられる強度も確保しました。基板間、基板と周辺環境間のデータ通信は、1ラック当たり12本、システム全体で384本の光ファイバーケーブルを用いた光伝送を行っています。高速通信が可能な光ファイバーケーブルは、芯(コア)がガラスであるため「曲げ」に弱いのが特徴です。指定されたRをキープしながら384本の光ファイバーケーブルを絡まないようにとりまとめるために、キャビネット設計にも工夫が必要でした。

 

熱対策と光伝送システムを支えるラック、キャビネット

 


 

 

システムインテグレータとして

 

弊社ではMDGRAPEの開発に過去から携わっており、担当範囲を広げて今回の「MDGRAPE-4」「MDGRAPE-4A」の開発にも参画させて頂きました。高速基板設計だけはなく、FPGA設計、ソフトウェア設計、筐体設計、システム設計とそれらのマネジメントと、お客様の要求する最終形のシステム全体がの提案できる点を受け入れて頂きました。

弊社では、基板設計、ソフトウェア設計、FPGA設計、筐体設計、電源設計など、豊富な開発実績があります。
お客様からの要求仕様に基づいた、設計開発から試作製造、試作後のサポート。自社製品べースのカスタマイズのご提案もしています。

 

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