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設計 モデルベース開発ソリューション
MathWorks社が提供するMATLAB/Simulinkを用いた医療機器ソフトウェア開発ワークフローのメリット
医療機器やデジタルヘルスケア製品を開発する際には各種国際規格や法令に準拠した開発が求められます。
東京エレクトロンデバイスではMathWorks社が提供するMATLAB®/Simulink®を活用したモデルベースデザイン(MBD)による電子基板開発ソリューションを提供していますが、今回は医療機器向けソフトウェア開発におけるMBD活用のメリットについて解説していきます。
はじめに
東京エレクトロンデバイスでは、
- 「モデルベースデザインによるFPGA設計」
- 「画像処理ライブラリの活用とMATLAB連携で加速するFPGA開発」
- 「モデルベースデザインでFPGA設計はどう変わる?」
など、MathWorks社の「Simulink(もしくはMATLAB/Simulink)」を活用したFPGA設計におけるMBDのメリットについてご紹介してまいりました。
今回の特集では、高い安全性が求められる医療機器のソフトウェア開発にフォーカスし、MBDの有効性について解説します。
医療機器開発における国際規格および法令準拠の重要性
医療機器の開発は国際規格や法令に準じる必要があり、販売するためにはリスクレベル(クラス1~4)に応じて政府機関への登録と承認が必要になります。
- IEC 62304 (ソフトウェアライフサイクル)
- ISO 14971(リスクマネジメントシステム)
- IEC 60601(医療用電気機器)
国際規格や法令に準拠した開発・検証を実施したことを客観的に示すエビデンスやトレーサビリティを担保することがとても重要となりますが、MathWorks社が提供するMATLAB/Simulinkなどの各種ツールを活用することで規格対応やドキュメントの準備がしやすくなります。
IEC 62304「医療機器ソフトウェアライフサイクルプロセス」を例に、MBDがどのように役立つかを見ていきましょう。
IEC 62304の要求事項について
まず、IEC 62304が求めるソフトウェア開発プロセスと実施事項を見ていきます。
出典:『医療機器ソフトウェアのMDB開発プロセス』P.6「IEC62304のソフトウェア開発プロセス」より引用
IEC 62304(ソフトウェアライフサイクル)では、「計画」から「ソフトウェアリリース」まで開発のプロセスを8つの項目で規定しています。各プロセスに対応するためMATLAB/SimulinkをつかったMBDのワークフローを詳しく見ていきます。

一般的なハンドコードベースのソフトウェア開発と検証
通常ソフトウェア開発においては、要求事項に対して、アーキテクチャ設計、詳細設計、コーディングを経て、実行プログラムを生成し、実機検証を行うシーケンシャルなプロセスが一般的です。
作成したソースコードが要求事項にあったものであるかは、実機検証を経て確認することになり、不具合や要求事項と異なる内容であった場合、ソフトウェア要求やアーキテクチャ設計まで戻って再設計することとなり、追加工数や開発期間が増加します。

MBDを利用したワークフロー図
MBDを使ったワークフローの最大のメリットは、開発した制御(アルゴリズム)モデルや実装モデルをそのままシミュレーション環境で動作させ、要求を満たしているか?ふるまいやロジックに矛盾がないか?異常系に問題がないかなどを事前に検証することができます。
事前検証することによって以下のようなメリットがあります。
- 早期に不具合を発見できる
- 要求に合致しているかトレーサビリティが担保される
- 患者等に与えるリスクなどを仮想空間上で検証できる(検証結果はエビデンスとして活用できる)
*MIL(Model In the Loop):実装前のモデルだけを使って要求や設計の妥当性を検証すること
*PIL (Processor In the Loop): モデルから生成されたコードを実際のターゲットプロセッサ上で動作を検証すること
「MBDを利用したワークフロー図」では、IEC 62304で要求されるプロセスを合わせて記載しています(5.2~5.7)。それらの各プロセスに対応するためMathWorks社が提供する各種ツールを紹介します。
出典:『医療機器ソフトウェアのMDB開発プロセス』P.50「利用するMathWorksツールのまとめ」より引用
医療機器開発の各プロセスにおいて規格に対応した開発が行われたか、検証が行われているかなど、検証結果や変更管理などを客観的に示す記録(エビデンス)の確保と、設計、実装(モデル/コード生成)→テストまでのそれぞれが、「何を原因に、どのように影響するのか」を完全に追跡できること(トレーサビリティ)が重要になります。
MATLAB/SimulinkをはじめMathWorks社が提供する各種ツールを利用することによって、各設計プロセスにおける成果物(ドキュメント)を自動生成し、認証機関に提出する各種ドキュメントとしてそのまま利用可能です。これにより規制当局が求めるエビデンスを効率的に準備することができ、承認を加速することが可能になります。
出典:『医療機器ソフトウェアのMDB開発プロセス』P.49「MBD成果物とIEC62304ソフトウェアプロセスの対応状況」より引用
これまでMATLAB/Simulinkを利用したMBDのワークフローを使った医療機器ソフトウェア開発について解説いたしました。国際規格や法令に準拠した効率的な開発ができるツールを用意していることに加え、認証機関に提出するドキュメントを自動生成することができるなど、開発・認証両面におけるメリットを感じていただけたのではないでしょうか?
医療機器ソフトウェアの開発・認証において開発のワークフロー全体をサポートするトータルソリューションとしてMBDを始めてみませんか?



