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開発ストーリー
~フィードバック用信号処理装置「SPring-8加速器」~

開発ストーリー~フィードバック用信号処理装置「SPring-8加速器」~

 

当社設計開発センターでは、基板設計、ソフトウェア設計、FPGA設計、筐体設計、電源設計など、豊富な開発実績がございます。本特集記事では、高輝度光科学研究センター様のSPring-8加速器におけるフィードバック用信号処理装置の開発事例をご紹介します。本装置は、SPring-8で実運用されており、フランスのSynchrotron SOLEIL、および韓国のPLS-IIの各放射光施設においても同装置が運用されています。

 

 

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SPring-8とは

 

SPring-8とは、国立研究開発法人理化学研究所(理研)の施設で、その運転・維持管理を理研の委託を受けた公益財団法人高輝度光科学研究センターが行っている大型放射光施設です。世界最高性能の放射光を生み出すことができる大型放射光施設SPring-8は兵庫県播磨科学公園都市にあり、1997年に利用が始まりました。放射光とは、荷電粒子がその進行方向を曲げた時に接線方向に発生する細く強力な電磁波のことです。SPring-8では80億電子ボルトまで加速された電子を蓄積リングに送り込み、電子を周回させ、放射光を発生させています。蓄積リングにおいて発生した放射光はビームラインを通じて取り出され、ビームラインの先端には研究目的ごとの測定装置(実験ハッチ)が設置されています。 放射光を利用した研究は生命科学から地球科学、物理科学、産業応用、創薬等にわたり幅広く行われており、国内外の研究者に利用されています。

 

 

TEDの開発内容は?

 

開発したのは、安定で強力な放射光を供給するために必須な、大電流の電子ビームが不安定化し発生する高速の振動の乱れをフィードバック制御により安定化させる「フィードバック用信号処理装置」です。

【装置内基板構成図】

装置内基板構成図

 

【装置全面パネルと筐体内】

装置全面パネルと筐体内

 

 

フィードバック用信号処理装置とは?

 

500 MS/s 以上のサンプリングレートでの入出力動作が可能なフィードバック用信号処理装置です。複数のADCにより取得したデータをFPGAによって高速に処理することにより、FIRフィルタを始めとした柔軟なデジタル信号処理を可能としています。処理された信号は複数個のDACによりアナログ化されアクチュエータ群(電磁場キッカー)を駆動します。イーサネットを通したインタフェースを使用して各種設定、およびADC データの取得等が可能であり、Linux等の各種OSから制御が可能です。

フィードバック用信号処理装置の動作について

フィードバック用信号処理装置の動作について

ビーム位置モニタは、電子ビームの通過時に、ビーム位置に比例した信号を発生します。この信号は、ADCによりデジタルデータに変換されてFPGAに送られます。FPGA内部において、このビーム位置データから、電子ビームの振動を算出し、その振動を減衰するために必要なキック量を計算します。計算結果のデジタルデータはDACにてデジタル値からアナログ信号に変換され、パワーアンプを通してキッカーを駆動します。電子ビームは、キッカーを通過する際に、このキックを受け、その振動が減衰させられます。 SPring-8の蓄積リングでは電子ビームは電荷量が大きく異なる複数の電子の塊(バンチ/bunch)として周回しており、各塊(バンチ/bunch)が発生する位置モニタの信号レベルも電荷量によって大きく異なっています。そこで、それぞれの電荷量に応じた検出回路とADCを複数個用意し、信号処理装置によって同時に測定した電荷量に応じてADC(デジタルデータ)をリアルタイムに切り替えて対応しています。

 

フィードバック用信号処理装置の役割は?

 

本装置は、蓄積リング内のビームのベータトロン振動やシンクロトロン振動のような高速な振動に伴うビーム位置情報をもとに、ビーム振動を抑制するキッカーを駆動するのに必要な信号を生成し、フィードバックを行う装置です。500MS/s 以上のレートでの入出力動作が可能であり、bunch-by-bunch フィードバックとしてビームの不安定性を高周波まで抑制することが可能です。

【蓄積リングへの組み込み例】

蓄積リングへの組み込み例

フィードバックシステムは、蓄積リング中を周回する電子ビームの振動をアクティブに減衰させるための制御システムであり、ビームの位置を検出するビーム位置モニタ、ビームをキックするキッカー、およびフィードバック用信号処理装置から構成されます。

 

開発当時最高スペックのADC/DACを多チャンネル採用しており、各チャネルのタイミングミートはもちろん、チャネル間の位相調整のため、タイミング制御にはノウハウをフル活用し労力を要しました。

 


 

 

基盤開発以外も相談できる?

 

当社では、基板設計、ソフトウェア設計、FPGA設計、筐体設計、電源設計など、豊富な開発実績があります。お客様からの要求仕様に基づいた、設計開発から試作製造、試作後のサポート。自社製品べースのカスタマイズのご提案もしています。

 

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