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短期間でPoC構築!
開発リソース不足はコレで解決!SoMの積極活用
昨今、さまざまな理由により開発者の設計リソースは圧迫傾向にあります。専門分野でない基板設計なども担当せざるを得ず、なかなかうまく開発が進まないというご相談も少なくありません。
SoM(System On Module)は基板上にメインデバイス、メモリ、周辺ペリフェラルを集約した小型モジュールです。難しいCPU周辺の開発が不要で、装置やベースボードとの接続をご検討いただければ、メインのアプリ開発に注力頂くことができ、開発工数を大幅に削減することが可能です。
本特集記事では、SoMのメリットや製品のご紹介、事例などの情報をお届けします。
SoMとはSystem On Moduleの略語で、基板上にメインデバイス、メモリ、ペリフェラルを集約した小型モジュールです。用途・装置毎にベースボートと接続することで、短期間での市場投入が可能となります。
- SoM = System on Module(システムオンモジュール)
- 基板上にCPU、チップセット、メモリ、周辺部品を集約した小型モジュール
SoMを活用するメリットとして、下記が挙げられます。
- 開発費・開発期間を大幅に軽減
- システムの小型化を実現
- 使用部材の管理が不要
試作開発から難しいCPU周辺の開発が不要かつ、量産でも同じモジュールを活用可能です。ユーザーはベースボードやアプリ開発に注力できます。
また、機能を凝縮しかつ小型化を意識したモジュールになっており、ベースボード設計の自由度がアップします。
SoMを活用するメリットは、開発フェーズに留まりません。量産移行後に必須となるPCN、PDN、EOL対応といった運用コスト削減にも大きく貢献することが出来ます。
ここまで「SoM(システムオンモジュール)とは何か?」や「どんなメリットがあるのか?」についてみてきました。ここからは具体的な製品ラインナップや事例を見ていきます。
Intel®社のTiger Lakeプロセッサ、 Coffee Lakeを用いたシリーズや業界標準のCOMエクスプレスを準備したSoMをラインナップしています。代表的なものをいくつか見ていきましょう。
- SOM-6883 / Advantech
- 小型のCOM Express Compact にIntel® Core™ Processorを搭載
- オンボードメモリとSODIMMの2枚使いが可能
項目 | 概要 |
---|---|
フォームファクタ | COM Express Compact Type 6 |
CPU | 11th Gen. Intel® Core™ Processor (Tiger Lake-UP3) |
メモリ | DDR4-3,200MHz 16GB(OnBoard)/Up to 32GB (SODIMM) |
ディスプレイ | VGA, LVDS, HDMI, DisplayPort |
I/O | 4x USB3.2, 8x USB2.0, 5x PCIex1, 2x COM, 2x Ethernet, 2x SATA3.0, CAN(option), GPIO |
使用環境 | 標準品:0-60℃ 温度拡張品:-40-85℃ |
サイズ | 95 x 95 mm |
- AM120モデル215N/PFU
- lIntel® Celeron® からインテル® Xeon® E Processorまで幅広くサポート
- PCIe x16:1本、PCIe x1:8本を利用可能
項目 | 概要 |
---|---|
フォームファクタ | COM Express Basic Type 6 |
CPU | 9th Gen. Intel® Core™ Processor (Coffee Lake Refresh) |
メモリ | DDR4-2,400MHz Up to 16GB (SODIMM) |
ディスプレイ | VGA, LVDS, HDMI, DVI, DisplayPort |
I/O | 4x USB3.1, 4x USB2.0, 1x PCIex16, 8x PCIe x1, 2x COM, 1x Ethernet, 4x SATA3.0, GPIO |
サイズ | 125 x 95 mm |
ここではSoMを利用した受託開発の事例をご紹介します。弊社のお客様にて医療機器や精密機械の設計開発を生業とされている中で、COM express モジュールを使ったキャリアボード、FPGAボードの開発を検討されていました。
その中でいくつか課題があり、弊社にて解決策を提案したものになります。
課題を紐解いていくと、本来注力すべきアプリケーションにリソースをかけたいということで、それ以外をできるだけアウトソースしたいという意図をくみ上げ、これらの課題を解決しSoMと組み合わせて動作するキャリアボード、画像処理ボードの設計製造に関わるリソースをご提供しました。
課題
- 各種試験を実施してほしい
- 筐体に合わせた排熱機構を構築してほしい
- 部材収集の工数を簡素化したい
- 短期間での量産化したい
解決手法
- SoMとして認証取得済み、かつ追加試験を実施
- オリジナルヒートシンクの設計
- SoMとキャリアボードを組付けた状態で納品
- SoMの利用による開発工数の短縮
まとめ
SoM(システムオンモジュール)をつかうことで開発工数の短縮、製造リスクの低減、調達コストの肥大化の抑制、品質の向上を実現することができます。
また昨今の半導体の入手難においては量産はもとより、試作部材の収集もままならない設計者、調達担当の方も多いのではないでしょうか。
このような課題をお持ちの方はお気軽に弊社までお問い合わせください。