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どうする?レガシーIC部品のEOL対策
昨今頻発しているレガシー部品の急な生産中止発表により、休む間もなくその対策に追われている設計・開発、デバイス調達部門の方々も多くいらっしゃることと思います。
本特集記事では、そのような方々の一助となるよう、レガシーICの置き換えに関する受託開発の記事をお届けします。
どこまでも続くIC部品のEOL
現代の電子機器やシステムにおいてIC(集積回路)部品は欠かせない存在です。しかし、その製造が終了するEOL(End-of-Life)という問題が、業界全体を悩ませているのは周知の事実です。
IC部品のEOLは果てしなく続く課題であり、その背景や影響について考えてみましょう。
EOLが発生する背景
技術の進化
新しい技術が次々と開発される中で、古いIC部品が時代遅れになり、製造が終了するケースが増えています。
サプライチェーンの複雑化
IC部品の製造には膨大な供給チェーンが関わっており、その中での一部の企業や工場の閉鎖は、市場に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
製造コストと需要のバランス
高い製造コストと需要の減少により、一部のIC部品の製造が合理的ではなくなり、EOLの決定に繋がることがあります。
IC部品のEOLは、製造元、デバイス製造業者、およびエンドユーザーに渡るにつれその影響を大きく受けることになります。特に、古い機器やシステムを維持する必要がある産業や環境において、部品の入手困難は大きな問題となります。
IC部品のEOL問題をうまくかわす方法は?
IC(集積回路)部品のEOL(End-of-Life)問題は、電子機器産業において重要な課題です。しかし、適切な対策を取ることで、この問題をうまくかわしそのインパクトを抑えることは可能です。
IC部品のEOL問題をかわすための方法
在庫管理の最適化
適切な在庫管理を行うことで、EOLが発表される前に十分な部品の予備在庫を確保することができます。しかし、無駄な在庫はコストを増やすだけでなく、環境への負荷も増やします。より効率的な在庫管理システムの導入や、需要予測の精度向上が求められます。
技術の追跡とリサーチ
新しい技術や代替部品の導入には、技術の追跡とリサーチが不可欠です。業界のトレンドや市場の動向を常に注視し、将来的なEOL問題を予測し、適切な対策を講じることが重要です。
サプライチェーンの多様化
サプライチェーンのリスクを最小限に抑えるためには、複数のサプライヤーとの関係を構築し、製造元の変化に柔軟に対応することが重要です。さらに、地域や国によってサプライチェーンを分散させることで、リスクを分散し、安定した供給を確保することができます。
上記は、これから起こり得るEOLに対する受け身の対応となりますが、積極的な対応として、以下が最も効果の期待できる方法となります。
代替部品の導入
EOLが発表されたIC部品に代わる新しい部品や技術の導入を検討することで、供給の安定性を確保することができます。また、代替部品の導入によって、製品の性能向上やコスト削減などのメリットも得ることができます。
IC部品のEOL問題にはスムーズな切り替えが大事
「代替部品の導入」がIC部品のEOL問題に対する最も効果的な対策であることを説明しました。またその代替部品の導入をスムーズに切り替えていくことは、製品の供給を安定させ、顧客満足度を向上させる効果も生みだします。
スムーズな切り替えの効果
供給の安定性を確保
IC部品のEOLが発表されると、その部品の供給が不安定になります。しかし、代替部品を導入することで、製品の供給を安定させることができます。スムーズな切り替えによって、製品の生産ラインを継続させることが可能です。
技術の進化に対応
電子機器産業は急速に変化しています。新しい技術が次々と開発される中で、古いIC部品が時代遅れになり、EOLの対象となることがあります。しかし、スムーズな代替部品の導入によって、最新の技術に追随することができます。
製品の性能向上とコスト削減
代替部品の導入によって、製品の性能向上やコスト削減を実現することができます。スムーズな切り替えによって、新しい部品や技術を迅速に導入し、製品の競争力を強化することができます。
顧客満足度の向上
スムーズな切り替えによって、顧客満足度を向上させることができます。製品の供給が安定し、性能が向上することで、顧客は製品に対する信頼性や満足度を高めることができます。
持続可能なビジネスモデルの構築
代替部品のスムーズな導入は、持続可能なビジネスモデルの構築にも貢献します。製品の供給を安定させ、顧客との信頼関係を築くことで、長期的なビジネス成功につなげることができます。
IC部品のEOL問題を解決するためには、代替部品のスムーズな導入が不可欠です。技術の進化に対応し、製品の供給を安定させ、顧客満足度を向上させるために、積極的に代替部品の導入を検討することが重要です。
類似技術を活用しよう
では具体的にどうすれば良いのでしょうか?
代替部品の導入をスムーズに行うための工夫として、類似技術を活用することを提案します。
「視点を変えてみる」
IC部品そのものの代替品を選定するという考えから必要機能の代替を選定するというスタンスで取り組むことで選定の幅も広がります。案外、自社に目的の類似技術が潜んでいるかもしれません。視点を変えて取り組むことで代替部品の導入をスムーズに行う道が開けるかもしれません。
落ち着いて考える余裕がない、どうしても見つからないとお困りの場合は弊社の「開発・量産受託オンライン相談サロン」へご相談ください。年間250件以上の受託開発実績で積み上げたノウハウを用いてお客様へ最適な類似技術を活用した置き換えをご提案させて頂きます。
2024年早々にAMD-XilinxよりリリースされたSpartan3, XC9500XL製品の生産中止案内は、大きなニュースとして対応を検討されている方々も多くおられるのではと想像しています。
FPGAのみならずIC製品のトレンドとしてはプロセスの微細化による技術進化は止めどありません。そのため、値上げや生産中止の可能性が高いと思われる製品については、採用している機器の保守期間を考慮に入れつつ、部品の供給状況を常に注視する必要があります。
いち早く類似技術を活用して代替部品を導入することで、止めどなく続くIC部品のEOL問題にスムーズに対処頂ければと思います。