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置き換え開発提案
レガシーマイコンの供給不安に対する置換時の取るべき行動とは

近年、半導体を中心とする電子部品の供給が不安定だったことは記憶に新しいのではないでしょうか。その経験を経て、次回の供給難に備えて、設計変更に取り組まれるケースが増えています。

東京エレクトロンデバイスでは、設計・量産受託サービスを提供していると共に、商社機能として半導体電子部品を取り扱っていることを強みに、部品置き換えに伴う設計変更でお困りの方々へご支援することが可能です。

本特集記事では、メーカーによる製造中止、または製造設備の問題により供給不安となった電子部品の中でも、とりわけ、設計変更の工程が多いマイコンの置き換えに対しての当社ソリューションについてご紹介いたします。

 

 

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レガシーマイコンとは

ここでいうレガシーマイコンとは、下記を指します。

 

  • 設備 老朽化、需要減少により生産設備、プロセスの維持、効率改善が難しい生産ラインで製造されている
  • 工場全体の設備更新、生産合理化・最大化を推し進める方針のもと、該当製品群がやむなく生産終了となっている
  • 具体的なプロセスでは350/180/150/90nmで製造される製品群

 

ユーザー側はICベンダーから発行された生産終了通知(PDN)を受け取り、今後の対策を講じることになります。

一方、市場を見てみるとコロナ禍による半導体の供給不足に始まり、自然災害、火災による国産マイコンメーカの供給停止、政治的要因による材料物流の混乱が拍車をかけ、一時的なパニックが至るところで発生していました。2023年3月現在、徐々に解消されているものの、レガシーマイコンにおいては安定した供給にはまだ時間がかかる見込みです。

そのため各社旺盛な投資計画を立てたり、閉鎖した工場を再稼働させるなど、製造量を確保する動きが出てきています。

 

 


 

レガシーマイコンユーザーが対応すべき課題

このような状況下で、レガシーマイコンのユーザーは、下記の対応が求められます。

 

  • 安定した製造、生産計画に合わせたEOLの取りまとめ
  • 計画的な製品開発
  • 自社製品のロードマップに合わせてマイコンの選定
  • プラットフォーム化による開発工数、価格低減 など

 

設計、調達、生産現場に携わる方々は日々、このような課題と向き合っているのではないでしょうか。

 

 


 

供給不安に対する解決策【暫定対策編】

EOL/ラストバイで数量をまとめるものの、どうしても不足してしまった場合にはEOL品の「在庫販売」、「継続生産」、「再生産」のサービスを行うロチェスターのサービスが有効です。

ロチェスターのパートナーである60社以上の半導体メーカーから認定を受け、同等のもの入手使用することができます。

 

ロチェスターは本社を米国マサチューセッツ州ニューベリーポートに置く1981年設立の 株式非公開の会社で、パートナーである60社以上の半導体メーカーから認定を受け、EOL品の「在庫販売」、「継続生産」、「再生産」を行っています。

 

 


 

供給不安に対する解決策【恒久対策編】

恒久対策として挙げることは、「置き換え」を行うことになりますが、具体的には下記の作業が必要となります。

 

  • 必要機能の棚卸と部品選定
  • 設計リソース確保、開発環境の構築と作業実施
  • 変更申請、変更後の従来品との差分確認

 

TEDではこれらの各フェーズにおいてお客様を支援することで、設計担当者の負担を軽減します。

部品選定の場面においては、TED取り扱い製品分のひとつであるNXP製品より、従来採用のマイコン群から大きな変更を伴わず、最新のポートフォリオから置き換え品の選定、仕様抽出、詳細設計、回路、AW設計から製造まで対応いたします。

 

外部パラレルバス対応 i.MXRT1170

外部パラレルバス対応 i.MXRT1170

 

 

5V電源、IO対応マイコン KE1xF, KE1xZ

5V電源、IO対応マイコン KE1xF, KE1xZ

KE1xF, KE1xZ

 

 

上記製品群以外にもさまざまな選択肢があり、その一部は長期供給プログラムの対象になっているため、安心して選定、製品適用することが可能です。

基本的に量産開始から10年以上供給、自動車、通信、医療分野向けの製品は15年以上供給として、期間はさらに延長される場合があり、NXP社のWebページで、製品ごとの期間を公開しています。

 

NXP Semiconductors 長期製品供給プログラム

また製品製造面においても、代理店であることを活かした部材調達により安定製造をサポートします。

 


 

マイコンの置き換え事例 1

ここでは弊社にて対応した具体的なお客様事例をご紹介します。

 

課題

  • 工場火災による生産能力の低下により
    部材確保が難しい状況
  • 代替となるマイコンの選定が急務
  • マイコンを変えることによる設計、
    開発リソースの確保

解決

  • 技術課題の洗い出しと適切な
    代替マイコンの選定と提案
  • 入手性、長期安定供給に対するご協力
  • 開発リソースのご提供

 

半導体メーカーの工場火災の影響により、多くの製品の生産に多大なる影響を及ぼす事態が発生しました。本事例のユーザー様におかれましても、主要顧客向けに納入をしていた装置に採用しているマイコンが、突然手に入らなくなるという事態に陥りました。

ユーザー様のエンドカスタマーからは、設計、部品を変更してでも、製品の生産、納入を継続してほしいとの強い要請を受け、マイコン変更による再設計を決断せざるを得ない状況でした。置き換え対象となるマイコンは、機能性能は現行品と同等以上であることはもちろんのこと、装置要求納期を確約できるような入手性を担保することが必要でした。

まずは、お客様からマイコンに対する要求仕様のヒアリングを行い、それに基づき、当時の在庫保有品、入手状況も良好な製品を絞り込み提案しました。マイコン変更による設計変更機種を現行機種からのランニングチェンジとして継続して納品を行うためには、設計開発に多くの時間を費やせる状況ではありませんでした。このため、最適なデバイスの提案と同時に、マイコン変更によるハードウェア、ソフトウェア開発リソース提供のご提案を行いました。

 

このようにデバイス選定と同時に、開発支援可能な体制を構築し、早期段階でマイコン変更による開発をスタートさせることができました。

再設計を要する機種は複数機種あり、開発資産を共通化できる箇所もありましたが、機種ごとに仕様が異なっていたため、納期を考慮し複数モデルの開発を同時進行で行う方針で開発を進めました。開発過程においては、週次の進捗報告など密なコミュニケーションをとることで、ご要求仕様の確認を迅速かつ柔軟に行いタイトなスケジュールのなか、大きな問題を起こすこともなく、対象全機種の開発を完了させることが出来ました。

本事例では、お客様から最初にお声がけをいただき、お客様が置かれている状況や課題を的確に把握することに徹することで、お客様が求める最適なソリューションをご提供することができました。

弊社の豊富な電子部品商材の中から最適なデバイスのご提案から、設計受託サービスのデザインリソースの提供により、マイコンの置き換えをスムーズに行うことでお客様の窮地を打開することができました。

 


 

マイコンの置き換え事例 2

 

課題

  • EOLによる代替マイコンの調査、選定
  • 製品ライフサイクルを保証するための再設計と部品の選択
  • マイコン変更に際しての設計、開発リソースの確保

解決

  • 要求仕様、技術課題の洗い出しによる
    適切なデバイスの提案
  • 入手性、長期安定供給に対するご協力
  • 開発リソースの提供

 

次はリリーズ間近となった製品においてFPGAのリードタイム長期化と、従来より継続採用していたマイコンのEOLが同時発生したことにより、当該製品の長期的な生産継続は困難と判断され、基板の設計変更は避けられない状況に直面されたお客様の事例です。

基板の再設計作業をスタートするためにも、できる限り早い段階で代替デバイスを決める必要がある中、通常の新規設計時であれば、最適な製品を提案するまでに、要求仕様のヒアリングやお客様内での比較検討期間も含め、綿密な打合せを行うなど、最適なデバイスを選択するために多くの時間を費やすことができました。しかしながら、今回の事例のように、すでに開発も完了し、製品リリース日程も逼迫したケースにおいては、あらゆる作業時間を短縮する必要がありました。

事前情報としてEOLとなった製品型番情報は把握していたため、メーカー製品より対象となるシリーズの選定を行いました。

ただし、機能、性能面でお客様要求を満たすことはできても、開発スケジュールに合わせたデバイスの提供を確約する必要もあったため、選定したシリーズの中から、入手性、さらには当時の市場在庫状況も調査し、お客様へ提案可能なデバイスの絞り込みを行いました。

仕様面においては、ある程度の幅を持たせた複数の案を提示することで、提案時に要求仕様のヒアリングを行いうことで技術課題の洗い出しを行いました。

20年以上前に設計されたマイコンと近年リリースされたマイコンとでは、処理能力や内蔵されるペリフェラルにおいて多くの差異があり、処理能力の向上やペリフェラルが強化されたとは言え、容易に置き換え設計ができるわけではありません。お客様のマイコンの使い方を十分に理解し、最新のマイコンでの実現方法を提示するには、マイコンに対する知見やサポート経験に基づく技術ノウハウが求められます。

TEDでは各取り扱いメーカー、製品カテゴリで技術サポート経験も豊富な専任エンジニアが対応することで、早期段階でベストは代替デバイスを提案し決定することができました。

また、設計開発から最終製品の製造までを短期間で実現させるためTEDの長期安定供給を前提とした最適なデバイスの提案と設計受託・量産受託サービスは、お客様が抱える課題の解決に役立てることができました。

 


 

まとめ

ここまで見てきたようにレガシーマイコンは半導体の供給難の影響で安定した供給が受けられがたく、設計や設計活動の障害となることがあります。

東京エレクトロンデバイスではFPGAやSoCのみならず汎用マイコンの置き換えでも潤沢な開発リソースと、半導体商社としての豊富な経験を元に、レガシーマイコンとの決別をご支援いたします。

また、開発、製造、保守に至るまでお客様のお困りごとを解消するため、無料オンラインサロンを開設しております。

 

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