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置き換え開発提案
NXPプロセッサ旧シリーズ(PowerQUICC、QorIQ)置き換え提案
世の中では新型コロナウィルスパンデミックにより、社会生活に多くの制限を受け多くの人々が大変な状況に直面しておりますが、半導体業界においても未曽有の供給不足に直面しています。
そのような異常状態中で発生する半導体部品のEOL対応は、平時以上に難しい対応が要求されるのではと思います。
本特集記事では、そのような方々にNXP PowerQUICC、 QorIQ Pシリーズといった旧プロセッサシリーズの置き換え受託開発に関しての記事をお届けします。
NXP旧プロセッサシリーズ製品であるPowerQUICCやQorIQ Pシリーズといったプロセッサを代替後継品へ置き換えの調査・検討に本腰を入れ始めている設計者の方は多くいらっしゃるのではと思います。
プロセッサは、その機能や種類が多数存在するIC部品のひとつです。
またアプリケーションシステムの中心となる部品となるため、システムや基板の要求仕様、規定や制限など多数の考慮すべき項目があり、代替後継品の検討・選定は容易に遂行できる作業ではなく、簡単に実行に移すことのできる作業ではありません。
このため置き換えに対する投資も必然と大きくなり、置き換えるならば、
「システムとしてのパフォーマンスを向上しよう!」、「コストを抑えて市場競争力を堅持しよう!」
といった製品戦略に絡んだ要求も追加され、新たな検討課題が発生すること必至です。
プロセッサの代替後継品検討の流れを以下の4つのステップにまとめます。
STEP1
まずはプロセッサ選定のため、必要なCPUスペック、OSの対応状況、使用しているペリフェラル、周辺部品とのインタフェース、新たに必要となる機能への対応有無などを見積もります。
STEP2
その後、最適なプロセッサを選定の上、基板開発へ移行します。回路設計では既存のプロセッサから必要な電源の見直しを行います。周辺部品とのインタフェース仕様、規格の変更などへの対応のため更に必要な機能、部品が追加されることもあります。
STEP3
新しいCPUコアを搭載したプロセッサでのソフトウェアの互換、アップデート、新規開発を検討します。OS、ファームウェアの対応状況によっては、アップデート、新規開発を検討します。
STEP4
デバッグ・機能評価のフェーズでは以前の開発で使用した治具環境を使用することもありますが、プロセッサの実機デバッグ環境は、CPUコアの変更により新規導入となるため、再構築し直すことが必要になります。
ここで、NXP旧プロセッサシリーズの代替後継品として「QorIQ Layerscape」シリーズをご紹介します。
特徴
高いネットワーク性能、セキュリティ、高信頼性を備えた高性能64ビットのArmテクノロジーをベースとしたマルチコアプロセッサです。高速、低消費電力、豊富なペリフェラル群を活かして、インダストリアル、コンシューマまで幅広いアプリケーションをターゲットとします。
高いネットワーク性能
・世界初の通信プロセッサを開発した実績・資産を継承
・先進のパケット処理エンジン搭載し、高性能と低消費電力を両立
・プログラマブルなエンジンにより将来の機能拡張に柔軟に対応
セキュリティ
・すべてのプロセッサにセキュリティ・エンジンを搭載
・CPUコアと独立したエンジンにより、高い演算性能を実現
・Trust Architecture による強固な耐タンパー性を提供
高信頼性
・30年以上の通信インフラでの実績を誇る製品ファミリ群
・24時間、10年フル稼働可能な信頼性
・キャッシュ/内蔵メモリのECC保護によるソフトエラー対策
LS1046A-LS1043A ソフトウェア&ピン互換のスケーラブル・ソリューション
出典:NXPジャパン
主要アプリケーション
・ファクトリーオートメーション
・ロボットコントローラ
・ゲートウェイ/HMI/PLC
・プリンター
・ワイヤレス、ワイアードネットワーク製品
・セキュリティ、監視装置
・LTE / 5G / ローカル5G 基地局 など
PowerQUICC、QorIQ Pシリーズ等、旧シリーズ製品から、最新のQorIQ Layerscapeシリーズへ置き換え設計を遂行する場合、開発者が具体的にどのような課題に直面するか考えてみます。
想定される課題1:移行対象製品の調査&選定
CPUコア・スペック、内蔵されているペリフェラル、各インタフェースの有無・種類・数、システム・基板構成の基本となる機能から、候補となるプロセッサ製品を選定しなければなりません。
さらにそれらの候補について各ベンダから発行されているデータシートやリファレンスマニュアル、アプリケーションノートを参照、各候補の価格帯、入手性、長期供給性などの必要条件を比較し採用候補を絞らなければなりません。
想定される課題2:技術課題の洗い出し
候補品の各種リソースが要求される設計仕様を満たすことが可能かを確認しなければなりません。各種ペリフェラルや、外部インターフェースの細かな仕様の確認、規格との整合性の確認、CPUコア変更に伴うソフトウェアの互換性、対応OSなど多岐にわたる項目の調査が必要です。
さらには置き換え検討時にまとめた設計仕様と見比べて、どの程度パフォーマンスの向上が図れるか考慮し、最終的な機能実現度を見極めていく必要があります。
評価基板を利用した実機でのハードウェア動作確認、ユーザアプリケーションの動作確認を実施することも必要です。
想定される課題3:置き換え実施に際する開発リソースの確保
技術調査の結果をふまえて置き換え移行対象製品を決定します。
周辺部品の仕様、入手性の観点から、評価基板搭載品以外へのインタフェース変更や、更なる部品追加への対応が必要になる場合も出てきます。
併せてArmコアへの移行設計、より高速となるメモリやSerDes設計、周辺回路の設計、新しいインターフェース・規格への対応できるよう、必要となる開発リソースを確保し、スケジュールどおり開発を遂行しなければなりません。
TEDの「受託設計サービス」が山積された課題解決への糸口となります。
最適な部品選定
NXP社専任営業とFAEサポートにより市況、技術的に最適なプロセッサを選定、提案します。QorIQ Layerscapeシリーズだけにとどまらず、お客様の基板、システム仕様に即した周辺部品も併せて選定、提案します。
基板設計
選定、提案させて頂いた部品にて構成された基板は、当社の設計開発センタ-で設計します。最適なコストとパフォーマンスの向上、技術課題の解決を提案します。
メモリコントローラ、高速伝送回路など
技術要件の高い設計分野も、各製品ごとに熟知したエンジニアが開発、設計します。(各種コンプライアンステストの対応)
Layerscape + FPGAの開発
数十年に渡って蓄積したノウハウをバックグラウンドにしたFPGA (RTL)設計開発とプロセッサを組合せた基板開発、設計を実現します。
ソフトウェア開発
開発した試作基板でのOSポーティング、ドライバ、アプリケーションなどのソフトウェア開発も承ります。
量産対応
東京エレクトロンデバイス長崎または協力会社にて、量産製造、検査を実施した量産基板をお客様に納品します。
基板、システムのメインチップであるプロセッサの置き換え作業を遂行するには、そのプロセッサ製品と周辺部品全般に関する知識が、実現性に大きく影響することが予想されます。
「Power Architectureのプロセッサ製品はよく知っているけれど、最新のArmプロセッサ製品・仕様、開発・デバッグツールの使い方、OSやソフトウェアの対応状況に詳しくない・・」といったユーザ様のお困りごとに対して弊社の受託設計サービスでは、
・NXP社の国内正規代理店
・NXP社プロセッサ製品のデザインサービス実績(i.MX シリーズ開発サービス)
といったNXP社QorIQ Layerscapeシリーズにまつわる知見や経験と、当社取り扱い製品も含めた周辺部品の知識、蓄積したノウハウをバックグラウンドにした、効果的なプロセッサ置き換えデザインサービスをご提案することが可能です。
弊社受託設計サービスを活用いただくことで、少しでもお客様の負荷低減・課題解決を図っていただけますと幸いです。
ご興味をお持ちの方、ご相談を希望されます方は下記フォームよりお気軽にお問い合わせください。