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医療機器装置の改善ポイント
【静脈可視化装置編】

静脈可視化装置は、皮膚の表面から静脈の位置を可視化する医療機器で、赤外光と可視光を当てることで静脈の位置を明瞭にすることができます。​今回は静脈可視化装置におけるDLP®デバイスの活用メリットについてご紹介します。

 

 


 

静脈可視化装置とは

静脈可視化装置は、医療現場で使用される装置の一種で、患者の静脈を視覚的に明確に表示するための装置です。これにより、医療従事者が静脈へのアクセスを容易にし誤穿刺を防ぎます。

 

誤穿刺とは
静脈ではなく筋肉や神経を穿刺してしまうこと

 

誤穿刺をすると、患者に痛みや不快感を与えるだけでなく、感染や神経損傷などの合併症を引き起こす可能性があります。

誤穿刺を防ぐためには、静脈の位置や状態を正確に把握することが重要です。また、穿刺針の種類やサイズを適切に選択することも重要です。静脈可視化装置は、静脈針を挿入する際や血管内カテーテルの挿入時に特に有用です。

一般的に静脈可視化装置は、近赤外線を用いて皮膚の下の血管を見えるようにする技術を利用しています。この装置を使用することで、従来の方法よりも静脈の位置や深さを容易に確認でき、誤穿刺の防止や穿刺成功率の向上、穿刺時間の短縮が期待できます。

 


 

DLP®とは

DLP®はDigital Light Processingの略称で、液晶ディスプレイとは異なり、反射光を制御する鏡の集合体を用いて映像を表示する技術です。この技術は、とても明るく、高画質で、高コントラスト比を持ち、映像投影に広く用いられています。

詳しくは、こちら(医療機器装置の改善ポイント【第4話】眼底カメラ編)をご紹介しています。

 


 

DLP®技術の静脈可視化装置への応用

DLP®技術を静脈可視化装置に応用することで、皮膚や脂肪層を透過して、静脈をはっきりと見える化することができます。光を反射させるため、レーザーを使用する方法と比べて安全性が高く患者の負担も軽減されます。

DLP®技術を用いた静脈可視化装置は以下のように動作します。

近赤外線光源の利用

静脈可視化装置では一般的に近赤外線光源が使用されます。これは、近赤外線光が皮膚の表面により浸透しやすく、血管に対してより深い位置まで到達しやすいためです。

近赤外線光の照射

装置から患者の皮膚に近赤外線光を照射します。この光は皮膚の表面を透過し、血管に反射・吸収されます。静脈血中のヘモグロビンは赤外線を吸収します。

反射光の受光

装置には皮膚から反射される近赤外線光を受け取るためのセンサーが備わっています。

デジタル処理と表示

受光された信号はデジタル処理され、画像処理アルゴリズムによって解析されます。これにより、血管が反射する光のパターンが解釈され、静脈の位置や形状が可視化されます。

映像の投影

DLPプロジェクターで静脈の部分を強調した映像を皮膚表面に投影させ、医療従事者が患者の静脈を視覚的に認識することができるようになります。

 


 

DLP®活用のメリット

DLP®技術を静脈可視化装置に組み込むことで、以下のような利点が挙げられます。

高解像度と鮮明な映像

DLP®技術は高解像度の画像を生成することができます。これにより、静脈の位置や形状をより鮮明に表示することが可能です。医療従事者はより正確に静脈を確認し、穿刺や注射を行うことができます。

リアルタイム映像処理

DLP®技術を使用することで、静脈の映像をリアルタイムで処理し表示することが可能です。これにより、医療従事者は迅速に静脈を確認し、処置を行うことができます。

深部組織へのアクセス

近赤外線光源を使用するDLP®技術は、皮膚の表面を透過し、静脈や深部組織に到達することができます。これにより、静脈が皮膚の下に位置する場合でも、静脈を視覚化することが可能です。

操作の容易性と精度

DLP®技術を活用した静脈可視化装置は、操作が比較的簡単であり、医療従事者が静脈へのアクセスを容易に行うことができます。また、高い解像度とリアルタイム映像処理により、静脈の位置や深さをより正確に把握することができます。

 

これらのメリットにより、DLP®技術を活用した静脈可視化装置は、医療現場での静脈へのアクセスや処置の効率性と安全性を向上させるのに役立ちます。ただし、実際の応用にあたっては、医療安全性や規制要件などが考慮される必要があります。

東京エレクトロンデバイスでは、テキサス・インスツルメンツが公認している国内唯一のDLP®デザインサービス プロバイダとして、最適なDLP®デバイスの選定から基板設計やDLP®ソフト設計といった幅広い設計支援を提供することに加え、医療機器開発における要件定義やリスクマネジメントなどのQMS関連の対応が可能ですので、設計の前段階からお客様の製品開発をご支援します。

 

 

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