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導入事例

生産現場 計測・検査

1万7000種類の細かな部品を
いかにして正確に数えるか

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日本無線株式会社(長野事業所 上田物流センター)様

日本無線株式会社の物流部門が在籍する上田物流センターは、正確な資産管理と約1万7000種類という膨大な数の部品をミスなくカウントし、棚卸し作業やピッキング作業を効率化すべく改革に乗り出しました。そこで同社は、東京エレクトロンデバイスの部品数量カウント補助システム「めばかり君」を採用しました。

課題

  • 部品カウント作業の負担大
  • 従業員の業務レベルの向上
  • 物流工程における誤出庫防止

成果

  • 電子秤ではカウントが難しかった部品を画像処理技術によって迅速かつ正確に
  • 部品カウントの経験がない従業員でもカウント業務をすぐに習得
  • システムによるカウント結果のログデータが納入先への証跡となるので、問い合わせへの説明が明晰

特徴

  • 部品のカウントを「重さ」ではなく「画像処理」で実現
  • 部品のカウントは「載せる」「広げる」「撮る」の3ステップだけ
  • 作業内容をログで残せる

インタビュー

1万7000種類の細かな部品を
いかにして正確に数えるか

物流倉庫において商品の在庫数を調査・確認する「棚卸し」を正確に実施することは、会社の損益を把握し、決算数字を正しく出すためにも非常に重要な作業です。しかし、対象となる部品が数十万点にのぼる倉庫を持つ企業では、定期的に在庫を数え、正確な数量を把握するために、多大な時間と労力を費やしているのが現状です。

そうした悩みを抱えていた会社のひとつが、マリンシステム事業や通信機器事業などを展開する日本無線株式会社(以下、JRC)です。同社の上田物流センターは、同社商品の製造時に使う部品のSCMを担っています。

商品の製造時に使う部品は、部品メーカーから調達したのち、自社の物流センターで保管。そこから適時、生産工場へと運ばれます。上田物流センターではネジやワッシャの機構部品、コンデンサなどの電子部品をはじめとする約1万7000種類もの部品を1案件につき平均で数百個、多いときは数千個単位で払い出しています。同センターは、これらの部品を管理し、正確な数だけ製造現場に届ける重要な役割を担っています。

しかし実際のところ、細かい部品の数を数える作業は作業者の負担が大きく、電子秤のコツを要するため、作業者の育成にも時間がかかります。複数個の部品の重さをまとめて計測する一般的な方法では、部品それぞれの重さがわずかに異なるため、カウント数と実数でズレが生じることもあります。

また、納入不足による問い合わせを未然に防ぐため、製造現場要求より多めに納入していたことも問題でした。半年に1度の棚卸し作業では、これらが要因となり、基幹システムと倉庫の在庫数が合わない状況もありました。

 

「重さで推測する」から
「画像処理技術で数える」手法への転換

およそ2年前に調達本部 SCM部長に着任した小島光則氏は、現場を見て「これは大きな経営課題である」と危機感を抱きました。小島氏は経営幹部にも現状を訴え、物流センターの改革を断行します。物流センターにおける部品の徹底した在庫管理体制づくりと、棚卸し作業の効率化を目指したのです。

「現場作業者の意識を変えたいと思いました。かつて私が製造現場にいたとき、顧客の大手自動車メーカーなどは部品の点数を厳しくチェックしていました。正確な部品点数・数量で製造現場の品質担保もしていました。そうしたところも含めた品質管理がビジネスには重要で、会社の信頼に大きくかかわると、現場経験から感じていたのです」(小島氏)

小島氏は早速現場に入り、物流センターの「カイゼン活動」を進めます。さまざまなカイゼン活動で取り組んだ課題の一つが、「部品の計数をいかにして正確に、かつ効率よく測るか」でした。小島氏はこの課題に取り組んだ理由を「複数個の部品をまとめて計り、合計の重さを個数で割るといった従来の方法だけでは、計数の正確さと現場作業者の作業効率に問題があると思っていた」と語ります。

正確かつ効率的な部品計数を実現する方法を模索していた小島氏は、画像処理による個体認識で部品を数える方法があることを知ります。この方法を自社でも導入できるのか、数社にヒアリングした中の1社が、東京エレクトロンデバイス株式会社(以下、TED)だったのです。

当時TEDでは、画像処理技術によって生産現場の課題である「作業の効率化」「検査精度の改善」「生産品質の向上」をテーマにさまざまなソリューションを提案しており、小島氏より受けた課題を具現化した結果、微小・軽量部品の数量をカウントするシステム「めばかり君」が誕生しました。TEDは、実際に試作機を持ち込み「めばかり君」を提案。現場作業にあたる方に使用してもらうことで、具体的な現場の課題やニーズのヒアリングを行い、カウント作業に従事する方々が使いやすいように、より実践的な機能の追加や操作方法の改善を進めていきました。

「TEDは細かなカスタマイズ要求にも柔軟に、かつ素早く応じてくれました。そうした姿勢を現場で何度も見続けるうちに、TEDへの信頼がより高まりましたね。お互い意見を交わしあいながら完成した『めばかり君』を実際に動かすと、私たちのニーズが反映されていると改めて実感。『さまざまな部品を、今まで以上に正確にかつ効率よく計測できる』と確信できました」(小島氏)

 

※載せる、広げる、撮る」の3ステップで
小さな部品を簡単・正確に数える数量カウント補助システム「めばかり君」

 

物流フロー全体で正確な計数ができれば
顧客からの信頼性がさらに高まる

「めばかり君」提案から半年後、上田物流センターで実務での利用が始まると、その効果はすぐに現れます。まずは、軽すぎて従来の重さ基準の計測では測れなかった紙製やゴム製のワッシャ部品などの点数を正確に数えられるようになりました。以前は全て手作業で数えていましたが、「めばかり君」の利用で手作業の工数が減ったうえ、1回の計測にかかる平均作業時間を2分間短縮できました。

現場作業者の異動などで業務の担当者が代わったとしても、計数のために特別なコツを要することがないため、誰でもすぐに業務に慣れることができ、作業の標準化にもつながりました。「めばかり君を使えば、単純に個数だけを見ればいいので、複雑な作業は不要です。仮に作業者の担当作業を入れ替えても、すぐに業務をこなせるようになり、作業の属人化防止にもつながります」(板垣氏)

「めばかり君」で計測した作業ログは、画像として保存されています。作業ログの画像が手元にあることで、納入先に自信を持って「依頼を受けた部品を、依頼を受けた点数だけ納入した」ことを証明できるようになったことも、大きな導入効果でした。

「今まではいくら自分たちが正確に数えても、納入先から追加請求を受ければその通りに対応せざるを得なかった」と板垣氏は振り返ります。今では納入先にも「JRCの計数は正確」「計数の作業ログをきちんととっている」との認識が浸透した影響で、納入先からの請求件数は10分の1にまで減るとともに、数量チェック作業も大幅に減少しました。

JRCはこの先、「川上から川下へ物流フロー全体の改善」を目指すと言います。「上田物流センターが部品を正確に計数していても、前後の工程がおろそかにしていれば意味がない。ならば自分たちが起点になって、全体最適になるようなアクションを起こすべきだと考えています。我々の後工程に当たる製造現場にとっても、取り扱う部品計数の正確性を追求することは生産工程の品質向上につながります。最終的に顧客からの信頼性も高まり、経営にとって大きなインパクトをもたらすでしょう」(小島氏)


※「めばかり君」を使用した作業風景

お客様プロフィール

会社名
日本無線株式会社(長野事業所 上田物流センター)
所在地
長野県上田市中央6-15-26
設立
1915年12月
代表
荒 健次
本社所在地
東京都中野区中野4-10-1 中野セントラルパークイースト
WEBサイト
https://www.jrc.co.jp/jp/

1915年の創業以来築き上げてきたコア技術をベースに、「マリンシステム事業」「通信機器事業」「ソリューション事業」の3つの事業分野に注力。国内外で幅広い業種、規模のお客様に対して商品やサービスを提供しています。同社の経営理念とも言えるのが「品質保証」への取り組みです。ETC車載器をはじめとする民間市場向けの量産製品から、気象レーダー、ダム制御システムに至るまで、さまざまなお客様のニーズを的確に把握し、最適な品質を確保する活動を行っています。

ご担当者様の声

日本無線株式会社
調達本部
SCM部長
小島光則氏

日本無線株式会社
SCM部
長野物流グループ
板垣周平氏

日本無線株式会社の物流部門が在籍する上田物流センターは、正確な資産管理と約1万7000種類という膨大な数の部品をミスなくカウントし、棚卸し作業やピッキング作業を効率化すべく改革に乗り出しました。そこで同社は、東京エレクトロンデバイスの部品数量カウント補助システム「めばかり君」を採用しました。

記事は 2019年6月 取材・掲載のものです。

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