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SiC 潜在欠陥拡張検査装置(UV-EVI:UV Expand Visualize Inspection)

SiCデバイスは省エネ材料として注目されていますが、バイポーラ劣化が直近の技術課題となっています。
これは、電流が繰り返し流れることで基板内のBPD欠陥が起点となって拡張し、最終的にデバイスの故障を引き起こす現象です。潜在BPDは通常の検査で発見が難しく、対策として材料やデバイス構造を変更する場合でも、サンプル試験に約2か月を要するため迅速な対応が困難でした。
そこで、UVレーザー照射によりバイポーラ劣化を再現し、ウェーハレベルで潜在欠陥を可視化できる装置を開発しました。
※本製品株式会社アイテス様との共同開発製品となります。
欠陥検査装置の用途
主に製品開発/研究での用途を想定しております。通常2か月かかるサンプル評価を、2日で代替可能です。
- デバイスメーカー様向け:デバイス製造各工程にて、製造工程影響による積層欠陥影響の確認が可能、ウェーハサイズ、チップサイズ双方に対応
- ウェーハメーカー様向け:基板材料、エピ膜厚み、不純物濃度等の欠陥に与える影響の検証が、ウェーハレベルで可能
- デバイスメーカー様向け、ウェ―ハメーカー様向け:プロトン/ヘリウムなどのイオン注入効果の評価
特徴
UV照射
- UVレーザー照射によるBPD/積層欠陥の拡張が可能。独自開発均一照射機構付き
- レーザー照射位置合わせ機構により、ウェーハレベル、チップレベル双方対応可能
- UV照射用ヒーターステージにより、デバイスが使用される温度環境を再現
PL検査
- 拡張したBPD/積層欠陥は独自PL機構により、基板、基板界面、バッファー層、ドリフト層の観察が可能
- PL検査はレーザーオートフォーカスによる、自動焦点合わせが可能
- 画像処理アルゴリズムで、積層欠陥の発生箇所、分類が可能(バッファー層、ドリフト層、基板界面)
- 欠陥発生箇所座標付きマッピング機能付き
仕様
共通
項目 | 詳細 |
---|---|
対応材料 | SiC |
対応サンプル | 150mm/200mm/チップ/個片 |
搬送 | 手置き |
装置サイズ | 本体︓(幅) 2060 x (奥⾏) 1360 x (⾼さ) 2400 (mm) |
オプション | 熱処理トリートメント機能(欠陥収縮) |
UV照射
項目 | 詳細 |
---|---|
光源 | UVレーザー |
ビーム径 | Φ2-5mm |
ヒーターステージ | ~200℃ |
単品販売 | 可能 |
PL検査
項目 | 詳細 |
---|---|
観察手法 | PL顕微鏡(レーザーオートフォーカス付) |
対物倍率 | 5倍、10倍 |
描画画素サイズ | 4.6um×4.6um |
サンプル評価
本検査装置を使用して表面の状態や欠陥部分をご確認したいお客様には、対象となるワークサンプルをお借りし、デモ機による事前評価を行うことが可能です。ご要望の際は、お問い合わせにてお気軽にご相談ください。
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用語集
- SiCデバイス
- SiCデバイスは、炭化ケイ素(SiC)を用いたパワー半導体で、高耐圧・低損失・高温動作が可能な特性を持ちます。Si-IGBTやMOSFETに比べ、電力変換効率が高く、EV・産業機器・送電システムでの採用が拡大しています。
- バイポーラ劣化
- バイポーラ劣化(Bipolar Degradation)は、SiCパワーデバイス(特にPNダイオードやMOSFET)で高電流が流れるとBPD(基底面転位)が積層欠陥(SF)へと変化し、電流の流れを阻害し、オン抵抗の増加や特性の劣化を引き起こす現象です。
- BPD
- BPD(Basal Plane Dislocation, 基底面転位)は、SiC結晶の(0001)基底面に沿って広がる線状欠陥で、エピ膜成長中に伝搬し、積層欠陥(SF)へ変化することでデバイス特性を劣化させる要因となります。
- 積層欠陥
- 積層欠陥(Stacking Fault, SF)は、SiC結晶内で原子層の配列が局所的に乱れた二次元的な欠陥です。特にBPDが変化してSFになると、デバイスのオン抵抗増加や特性劣化を引き起こし、バイポーラ劣化の原因となります。
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